第四話
ログインすると森のような場所にスポーンした。
「森?」
蒼月はあたりを見渡す。
「またまた変な場所に出たなぁ。チュートリアルか?」
だがいくら待てと一向にチュートリアルが始める気配が無い。
「んー、分からん。とりあえずマップとかないのか?」
蒼月はインターフェイスを触って、色々と物色する。
「おっ、マップ有るじゃん!」
蒼月はマップの項目があったのでタッチ。
「現在地は赤いポイントっぽいな。町はここか。よし、とりあえず町を目指すか!他に確認しときたいものはっと」
ステータスの項目を見つけて、タッチする。
蒼月
Lv1
HP 50/50
【VIT 5】
【STR 5】
【DEX 5】
【AGI 12】
【LUK 5】
【PSY 13】
装備
頭 【追放者の頭巾】
体 【追放者の服】
右手 【サイキックリング】
左手 【サイキックリング】
靴 【追放者の草鞋】
装飾品
【無し】
【無し】
【無し】
超能力
模倣Lv1
「この
ステータスに記載されている
戦闘時超能力で戦っているのをみると模倣することができる。
ただしオリジナルより大幅に弱体化する
「なるほどねぇ。なら誰が戦ってるとこ盗み見しとけばいいってことか」
蒼月は辺りを見渡す。
「サービス開始してからもう18時間くらい経つし、ここら辺にも人がいてもいいと思うけどな」
戦闘音がしないか周りの様子を伺うが、木々の葉が擦れる音しかしない。
「いなさそうだなぁ・・・。ん?いや、なんかあっちの方から音がするな!行ってみるか!」
蒼月はなるべく敵と合わないように隠密行動をしながら移動する。
「近いな」
戦闘音がだいぶ近くなってきた。
木の裏からチラリと覗くと男女のペアが何かと戦っている。
「何がモチーフなんだあれ?」
中世ヨーロッパがモチーフのファンタジーならおそらくゴブリンに該当するだろう。
その
「まぁいい!超能力使ってるところ見せてもらいますよっと!」
蒼月は戦闘を眺める。
まず男が手に持っていたアサルトライフルで子供くらいの大きさの下腹がでっぱったよく分からない生き物の頭を撃ち抜くと
「よし、一匹!」
男は女の方に目線を向ける。
女も同じようにハンドガンを構えて何度銃撃を行うが、なかなか
「銃じゃなくて超能力を使った方がいい!」
男は銃を撃ちながら女に指示を出す。
「わかった!」
女が構えると手のひらに電気を纏う。
そして、そのまま手から電気を放つ。
無機質な女性の声で脳内に響く。
「なるほど。こんな感じで
蒼月は木の裏で超能力を獲得した感覚を覚える。
その間も戦闘は終わっていない。
女が放った電気は音を立てて怪物に直撃するが、一撃では仕留められない。
その後も何度か電撃を怪物に放つとようやくポリゴンとなって消滅する。
「やったぁ!」
「やるじゃん!」
二人は楽しそうにぴょんぴょんと飛び跳ねてイチャイチャとしていた。
「くそっ!超能力はゲットしたけど、なんか負けた気分だ!撤退!」
蒼月はそそくさとその場を後にする。
「もうちょっと超能力覚えておきたいな」
蒼月は他にも超能力で戦ってる人がいないか辺りを伺う。
10分くらい敵と遭遇しないように動き回ったが、誰も見当たらなかった。
「全然この辺全然人いないじゃん!仕方ねぇ!町に向かうか!」
敵と遭遇しないように隠密行動をしながら最短ルートで町へ向かう。
少し歩いたところで現在位置の確認を行う為、止まりマップを開く。
「もうここまで来たか。あと少・・・」
ギャギャギャァアアアアア
蒼月が声の方を向くと先程男女ペアが戦っていたゴブリンのような
「やばっ、気を抜いてしまった。超能力の使い方わからんぞ!」
咄嗟にステータスを開き
「違うか、やばいやばい!」
蒼月は電子取扱説明書を読んだ時に超能力はサイキックリングを装備しないと使えないという文言を思い出す。
蒼月はステータスに表示されているサイキックリングをタッチする。
だが、特に反応は無い。
「くそっ!どうやって使うんだよ!」
インターフェイスをいろいろ触っていると超能力の項目を発見する。
「ここか!」
超能力タブをタッチするとチュートリアルが始まる。
「えっ!ちょっ!こんな状況で!?」
蒼月はサッと目を通し、書いてある通りにサイキックリングに意識を向けると
バリバリと手に電気が纏う。
使いたい超能力を強く意識すると勝手に発動するようだ。
「おぉぉぉぉ!すげぇぇぇぇ!」
電撃が纏っている手を見て、蒼月の胸が高鳴る。
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