オーヴェローヌの魔女クラリス

黒百合

プロローグ

 西暦1939年9月1日。

 ヨーロッパの強大な専制国家であるゲルマニア帝国は突如、隣国ヴィドゥーム共和国へと侵攻を開始した。

 これに対し、ブリタニア王国とルイ王国はゲルマニア帝国に宣戦を布告。戦争状態へと突入する。


 戦力は圧倒的にゲルマニア帝国側が不利。ゲルマニア帝国の敗北で戦争は早期に終結する。

 この予想を裏切ったのが、ゲルマニア帝国に味方する形で参戦した新大和しんやまと帝国だった。


 以前よりゲルマニア帝国と軍事同盟を結んでいた新大和帝国は、秘密裏にアトランタ合衆国への侵攻作戦を企てており、それに使う新兵器の実験を行う場所を探し求めていた。

 そんな時にゲルマニア帝国から支援の要請を受け、これ幸いと実験も兼ねて新兵器をゲルマニア帝国に技術士官と共に送り込んできたのだ。

 その兵器の名前はホロゥ。動植物の姿を模し、全身を金属で構成した新時代の生物兵器であった。


 通常兵器の悉くを無効化するホロゥを相手に周辺諸国は為す術もなくあえなく敗北し、新大和帝国の参戦からわずか一ヶ月という期間でルイ王国は無条件降伏に追い込まれることとなる。


 そして、ゲルマニア帝国はブリタニア王国をはじめとした残る周辺諸国への攻勢を強めると共に、その牙を今、ルイ王国の南方に位置する小国――オーヴェローヌ王国へ向けようとしていた。

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