「どうしたのよ。朝からため息なんてついて」

「なんだ、愛亜(めあ)かよ」

自慢の白い髪をツインテールにし、颯爽と俺の席の横を通って自分の席に向かった愛亜は、席につくなりイヤホンも付けたままに話しかけてくる。

「別に、何でもねーよ」

「ふーん……」

俺の顔をじーっと見つめてくる。

「何だ、そんなに見つめんなよ、惚れたか?」

「ハッ!朝から素敵なギャグね」

愛亜は手をヒラヒラさせ半笑いで返事をする。

「じゃあ何だ」

「……アンタ最近、ずっと様子が変よね」

「何がだ?」

「分かんないわよ。なんか、落ち込んでるみたいな……」

愛亜が外を眺めながら呟く。

「アンタさ……恋でもしてるの?」

「……は?んな訳ねーだろ!」

俺は思いっきり否定する。

「なに怒ってんの?」

「……何でもねーよ……」

「ふーん……。あ、そうだ!来週からテストでしょ!アンタちゃんと勉強してんの?」

「あ、あぁ……。一応な……」

「そっか……。今度の日曜、空いてる?」

「……なんだ急に?」

「テスト勉強しましょ!」

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