強制労働の場で-2(シリアス版)

「なんだ?」

 周囲の鉱夫たちも一斉に手を止め、恐怖と不安が交錯する。火山の活動が再び始まるのか? この山で働く者たちにとって、それは最も恐れるべき事態だった。


「これは……危険だ、すぐに外に出ないと!」

 監視者たちも動揺し始め、混乱が広がっていく。火山の活動が本格的に再開すれば、鉱山全体が崩壊し、デラノたちがいる坑道も例外ではない。


 デラノはパニックに陥った鉱夫たちを押しのけながら、外に逃げようとしていた。崩れ始めた天井の岩が今にも落ちてきそうだ。


 まさにその時、キャリーが足を押さえて叫び声を上げた。

 「デラノ、足が……動かない! 助けて!」


 キャリーは慌てて逃げようとした際に転倒し、足首が不自然な角度に曲がっていた。キャリーが自力で逃げ出すことは不可能だと瞬時に察したデラノは、心の中で激しい葛藤に苛まれる。


 その瞬間、さらなる地鳴りが坑道を襲い、崩れる岩が周囲に飛び散る。時間はない。

 

「デラノ、なに考えているのよ!  私たちは夫婦でしょう? 」

 

 助けるべきか? だが、キャリーを助けたら、自分も危険に晒される。ここで彼女を見捨てれば、自分だけは生き延びられるかもしれない。


(助ける価値はあるか? これまでのキャリーの言動を思い出せ……)


「ごめん、僕は助けられない」

 デラノは冷酷に言い放ち、キャリーを見捨てて走り出した。


 だが、その直後、天井が大きく崩れ、デラノの足元に岩が落ちてきた。バランスを崩して倒れ込んだ彼は、自分が崩壊の中心にいることに気づく。


 「くそ、助けてくれ……!」

 声を上げるが、もう遅い。


 一方、キャリーはそんなデラノを見て口角を上げた。

「自分だけ逃げようとするからよ! ざまぁみろだわ!」

 意地悪く笑っていたキャリーも、坑道の崩壊にあっけなく飲み込まれてしまったのだった。



 •───⋅⋆⁺‧₊☽⛦☾₊‧⁺⋆⋅───•

 

 こちらのざまぁは、デラノにはやりすぎって意見もありました💦

作者もそう思ったんですよねーー。ご、ごめんなさい🙇‍♀️

 もう一つのざまぁ、ありますので、同時に投稿します。それから読者様からの提案もとりいれたざまぁもひとつ、これから書いていきますので。多分、最後のざまぁが一番無難でしっくりくるかも。合計3通りのざまぁ結末をご用意します。ぜひ、お読みください🍵


 その後はベッカムとエレノアのお話に戻り、ハッピーエンドを目指します。

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