秋はお別れの季節

暑い夏も終わり気づけば秋になっていた。

桜木先輩の服装も夏と違いモコモコしたクマの耳付きパーカーになっている。そして

他に変わったところはいつも笑顔だった

桜木先輩がしゅんとした犬みたくなっていること。「桜木先輩何かありました?」

桜木先輩はうぅ、と泣きそうな表情をし

「はるね、またてんこうするんだって。こんどはねもっと もっととおいいところにいくんだって」突然言われた言葉に思わずフリーズ

する 気づけば半年過ぎ 桜木先輩と一緒に

居すぎて忘れていたが 元々ご両親仕事柄

遠くへ行くことが多いと言っていた。

「それでね、はる れおなおねえさんと

さいとうさんとかちょうさんと なかもとさんといっしょにゆうえんちとすいぞくかんとどうぶつえんいきたい」最初に出てきた名前が

妹だと言うのが少し悔しいとも思いつつ、

最後の思い出に行くのは賛成だ。「分かりました俺からみんなに話してみます」「ううん、さいとうさんとかちょうさんには言ったの」自前準備が早いなと笑ってしまった。

妹に話すと「そっかぁ、じゃあなんか作ってあげよっかな」とプレゼントを用意するみたいだった。秋は別れの季節と言うけれどやはり寂しいものだ 俺も桜木先輩へのプレゼントを探すためショッピングモールへ来た

小学生の女の子が好きなのはなんなのか、

桜木先輩が動物のぬいぐるみや魔法少女以外になにが好きなのか分からない。良く考えれば仕事の時はいつも一緒にいたのに知らないことばかり 結局悩んだ末 サネカズラの刺繍が入ったハンカチにした。そして次の週の

三連休に遊園地、水族館、動物園に行くこととなった。

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