Ⅴ
1.心に固く
目を覚ました。
けど、自分がなぜ眠っていたのか、思い出せない。
体が、熱い……。
凄く、だるい……。
意識が
閉じている
仰向けになって寝ている体も同じように動かすのが難しい。
痛みはないけど、全身が鉛のように重くて、血液の流れが止まっているように感じる。
この苦しみは一体……。
「はっ!!」
思い出して強引に瞼を抉じ開けた。
周りを囲む多くの兵士たちを払う為に、私は
そして、爆発に巻き込まれないように残った力の全てを使って小さな結界を張った。
結界は私よりもクラウドを守る為に使ったもの。
私が無事なら、クラウドも無事なはず。
「ぐ、うっ……」
そう思って周りを見ようと強引に体を動かそうとした。
ところが、
ぺシッ!
「駄目よ。まだ寝てなさい」
正面から額を
寝てなさいと怒られた。
「プレセア?」
手刀打ちをしたのはプレセア。
仰向けになって寝ている私の頭を膝の上に乗せている。
どうやら私は気絶した後、またまたプレセアに膝枕をされていたようだ。
……ここは?
横目でチラリと周囲を
見晴らしの良さそうな丘の上の木陰。
周りに私たち以外の誰かがいる気配は感じられない。
「どうしてプレセアが? クラウドは……」
今一状況が理解できず、再度起きようとした。それを、
ガシッ!
「駄目だっての」
プレセアに両手で左右から頭を抑えられて固定された。
グギッ
(ぐっ!)
首つった。けっこう痛い。
「クラウドは無事よ。ガキたちもね。みんな先に行って待ってるから心配しなくても大丈夫。あと、詳細はクラウドから聞いてるから、今は無理しないでゆっくり休んで」
「……そう……よかった……本当に……」
プレセアの言葉を聞いて安心した。
私はクラウドたちを守れたんだ。
私にやった事は無駄にならなかったんだ。
ホッとして、
「ごめんね、プレセア。あなたの言う事を聞いていれば、こんな事にはならなかったのに」
「そうね。けど、お姉様一人のせいじゃないわ。私はあくまで最善の案として村を去ることを提案したの。残ることが悪手とまでは思っていなかった。情報を得らるかもしれないと思ったし、何かあっても上手く切り抜けられると確信してた。そこは反省点ね」
プレセアの言葉は、たぶん本心じゃない。
少しはそう思ってくれている部分もあるんだろうけど、本当は私に対する気遣いがほとんどだ。
村を離れていれば、子供たちも巻き込まれず、みんな無事だった。
プレセアとクラウドの言った通りにするべきだった。
普段、遠慮がないだけに、ここぞという時にしてくれる気遣いが嬉しいと感じる以上に申し訳なく思う。
この事を口にすれば、プレセアは必ず否定する。
余計に気を使わせてしまうだけ。
だから私は、
「ありがとう」
ありったけの感謝の気持ちだけを伝えて、同じ過ちを絶対に繰り返さないと、心に固く誓った。
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