小蝶は濡れたよ
拾われたんだ
大事にされた
寝かしつけられ
お籠のなかにゃ
柔らかい苔
お岩と草木
小蝶は痛むよ
キズがあるんだ
花戸の手当てで
包帯だらけ
寝かしつけられ
お籠のなかにゃ
甘い香りの
木の葉とお蜜
小蝶は二度とは
羽ばたけないよ
花戸のてのひら
寝かしつけられ
お籠の外で
大事にされたよ
お花のお羽を
手に入れたけど
花戸の少女の
もとから離れず
小蝶はひと月
たくさん泣いたよ
少女の寝顔に
何度も泣いたよ
お籠へ戻りゃ
朝日がさして
少女を見つめて
お花になったよ
花戸の少女は
えんえんしたよ
お籠のなか見りゃ
満開の花
その一輪を
てのひらのせて
そっと吹いたよ
あおぞら向けて
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