番外編 1

第37話

「まや、今日泊まりに行ってもいい?」




アタシのパソコンのメンテナンスをしながら水沢さんは言った。



「は?な、何言ってるんですか!こんな所で!」



隣で旬が仕事してるのに。



「駅前のスイーツ店に連れて行ってあげるから。」




「それってただ水沢さんがケーキ食べたいって話でしょ!」




「あ、ミスった。ちょっと黙ってて、」




はぁ~!?


自分から話し掛けてきたくせに!



猛スピードで水沢さんはキーボードをたたいていく


さ、さすがSE。



水沢さんはうちの企業のソフト開発をしているから全て理解しているつわもの


いわゆる彼らSEは会社の頭脳だったりする。




「はい、終わったよ。で、仕事終わったら電話してね。」



水沢さんは旬にわざと聞こえるようにそう言って、総務課を出ていった。



案の定旬は不機嫌で。



「アイツって案外コドモだよな……SEなんて嘘みたいだ。」



……アタシもそう思う。

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