第8話



そっと、優しさを含んだ声が彼女の名を呼んだ。




ただ、殴り会う“彼等”を黙って、何の感情も映ってはいないその瞳て見つめていた彼女。

  



アンジュヲを。




「ーーー俊也しゅんや




声の方へと目線だけを横に向ければ、彼女の忠実な騎士ナイトの1人。




俊也が立っていた。




急に現れたにも関わらず、“アンジュ”と呼ばれた彼女に動揺するはずもなく。



「どうしたの?何かあった?」




首を傾げるだけ。

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