第26話 かるたクイーンへの道は険しい!?
かるた大会に挑む瑠奈!
大学のかるたサークルに所属している瑠奈は、年に一度開催されるバンコクかるた大会に向けて練習に励んでいた。瑠奈は持ち前の記憶力で札の位置を覚えるのは得意だったが、瞬発力や体力に自信がなく、いつも試合になると緊張してお腹が痛くなってしまうのが悩みだった。
「今年も大会かぁ...。頑張りたいけど、やっぱり緊張するなぁ...」
瑠奈はため息をつきながら、かるたの札を並べていた。
『瑠奈よ、気合が足りん! 武士たるもの、常に全力で勝負に挑むべし!』
瑠奈の頭の中に、山田長政の叱咤激励が響く。
「わかってるよ、長政さん...。でも、お腹が痛くなるのは、どうにもならないんだもん...」
瑠奈は、長政の言葉に反論しつつも、内心ではかるた大会で良い成績を残したいという気持ちが強くあった。
大会当日、事件発生!
大会当日、会場は熱気に包まれていた。瑠奈は、予選を順調に勝ち進み、いよいよ決勝戦へと駒を進めた。対戦相手は、去年も優勝している実力者、タイ人の女子大学生だった。
「よし、集中!集中!」
瑠奈は、深呼吸を繰り返しながら、気持ちを落ち着かせようとした。
『瑠奈よ、平常心! わしの教えを思い出せ!』
長政の声が、瑠奈の頭の中で響き渡る。
試合が始まり、緊迫した空気が会場を支配する。瑠奈は、相手の動きをよく見て、札を取るタイミングを計っていた。しかし、試合が進むにつれて、いつものようにお腹に痛みが...。
「やばい...また、お腹が...」
瑠奈は、脂汗を流しながら、必死に痛みに耐えていた。
不憫かわいい瑠奈、まさかの結末!?
その時、事件は起こった。
「ぷっ...」
瑠奈のお腹から、大きな音が...。会場にいた全員が、瑠奈の方を見た。
「え...!? うわぁ...」
瑠奈は、恥ずかしさで顔が真っ赤になった。
『瑠奈よ...!これは...武士の恥...!』
長政も、この状況には言葉を失っていた。
対戦相手は、一瞬驚いた表情を見せた後、クスクスと笑い出した。
「大丈夫? 緊張してるの?」
瑠奈は、恥ずかしさで穴があったら入りたい気持ちだったが、相手の優しさに救われた。
「う、うん...ごめんなさい...」
瑠奈は、涙目になりながら謝った。
結局、瑠奈は集中力を欠き、決勝戦で敗れてしまった。しかし、試合後、対戦相手から声をかけられた。
「今日は、面白い試合をありがとう。来年も、また対戦しようね!」
瑠奈は、笑顔で「うん!」と答えた。
新たな目標
「長政さん...来年こそは、絶対に勝つ!」
瑠奈は、心の中で長政に誓った。
『うむ...! 来年は、わしも腹筋を鍛えておこう...』
長政の言葉に、瑠奈は思わず吹き出した。
瑠奈の、かるたクイーンへの道は、まだまだ続く...。
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