第6話 異世界生活と政治の作り方1
樹「じゃあ、俺の分かる範囲内での話な。まずは基本として世界の大きさを現代の地球と同じくらいの大きさで、人口は全世界で20億人、その中には獣人系やケモミミ、亜人種も含む。って事で大丈夫だな?」
学「うん、それで大丈夫。大陸とか海も現代と同じなのかな?」
樹「いや、それは変わっていないとおかしいから、適当で構わないと思うけど、そうだなあ、どうしようか?」
学「じゃあ仮にで、大陸は8大陸で12の国家とその他の種族連合がある。って感じでどうかな?」
樹「おっ、中々面白そうな設定出してくるね。いいね、それで行こう」
学「じゃあ、国家からかな?」
樹「そうだな、まあそうかな。12の国家が8大陸に在るという事は、国家間の戦争や同盟なんかが有るって事だな。それによくある宗教国家も確実にあるだろうな。それに差別された者たちでの連合国もある。基本的にはそういった所かな?」
学「うん、そうだね。時代的には中世くらいかな?」
樹「そうだな、産業革命が起こる前、って考えるのが妥当だよな。年代は忘れたけど。大量生産での工場での仕事、それに伴う大量の輸送。そんなものがない時代って事だな」
学「うん。当然電気やガスも無い。上下水道はどうなんだろう?」
樹「大きな街では下水処理、とは言っても地下から近くの川に流すくらいだろうけど、そういった設備は備わっているだろうな。前に言った通り病気なりにくい、でも疫病なんかが発生したことがない、って事は無いだろうからな」
学「魔物による被害の他にも、疫病による被害でも人類は滅びかけた事がある。ってことか」
樹「だからある程度の文明の発展と国としての形を作ることが出来ている。とも言えるよな。そして上水や街灯なんかは魔石で賄っている」
学「そうだった。じゃあ、建物とかは?やっぱり煉瓦とかで作っているのかな?」
樹「そうだろうな。地震がほとんど無いって考えて良さそうだしな。田舎や開拓地のところは木製のログハウスみたいになってくるだろうな。なんせ煉瓦なんかを作っている暇は無いだろうしな」
学「そうだよな。じゃあ服装かな?次は」
樹「ちょっと待って、建物は何でも良いけど、城壁や村の周りにある囲いなんかも、条件が一つだけあって、それは、必ず魔石なんかを砕いたものを入れているか、塗料として塗っているか、必ずどちらかをやっているって事だな」
学「えっ、それって重要な事なの?」
樹「重要かどうかは分からないけど、人間が魔物に襲われるのに、その人間が集団で生活してる所が襲われない理由は、考えておかないとだろ。だから、城壁や囲いなんかに魔素を出すものを入れて、魔素を吸収する人間を魔物は襲うから、魔素が出ているものは逆に襲わない。そんなところが理由かな」
学「そうか、確かにそうだよな。じゃあ服装にもその様な加工がされている。って事かな?」
樹「いや、服にはされていないだろう。それどころか、城壁や囲いがなんで魔物を遠ざけているのかも、分かっていないんじゃないか。昔からそうだったからそうしている、そんな感じでやっているだけじゃあないかな」
学「そうかなあ」
樹「そうだよ。とは言い切れないけど、人間なんてそんなもんだよ。理由を全て知っているからやる、なんてことはほぼ無いだろ。勉強をやる理由って何?」
学「勉強をやる理由って、そりゃあ、なんだ義務教育だから?」
樹「なっ、そんなもんだろ」
学「確かにな。理由は分からなくてもやっていることって結構有りそうだな。魔法だってそうだもんな」
樹「魔法で思い出したけど、魔法を大きく2つに分けて考えてくれ。攻撃なんかの戦闘用と生活魔法の二種類に」
学「別に構わないけど、どうした?」
樹「いや、生活魔法が使えないと色々と困ることが多くなるな、って思ったからさ」
学「別に生活魔法が有っても無くても、そんなに変わらないんじゃあない?」
樹「いや、大きく変わるよ。多分。キャンプとかで火起こしをやってこと有る?炭でも薪でもいいけど」
学「有るよ。結構大変だった。しっかりと炭を組んで着火剤使って、なんか色々と大変だった記憶はあるよ。でも、それと生活魔法との関係って何かあるのか?」
樹「目茶苦茶関係有るだろう。何で火を着けた?火を大きくするのに何を使った?」
学「そりゃあ、ライターで火を着けて、団扇で扇いだ。そうか、そういった物が無いと困るのか。ん、でも、それも魔石で解決できるんじゃあ無いのか?」
樹「それだけだったらな。まず生活魔法の定義をしておくと、火の生活魔法はライターの様に小さな火を起こすこと。水はコップ1杯分くらいの水を出すことが出来る。風は団扇で扇ぐくらいの風を起こして、土はバケツくらいの大きさの穴を掘ることが出来る。そんな感じかな」
学「うん、確かに攻撃できるほどの魔法じゃあ無いし、生活の中であれば便利そうな気がするけど、それは魔石でも解決出るだろうし、そもそも必要なのかも分からないよ」
樹「まあ実際にアニメなんかでは描写する必要性は全く無いと思うけどな。一応な。分かりやすいところで言えば、トイレかな」
学「トイレ?なんでそれと生活魔法が関係有るんだよ」
樹「いや、トイレ、特に大の方な。した後にどうしていると思う?」
学「そりゃあ普通にトイレットペーパーで。って。そうか、中世の時代にそんな簡単に紙、特にトイレットペーパーなんかは無いよな」
樹「そう、そこで生活魔法だ。簡単に言えば自分で水の生活魔法を使って、簡易のウォシュレットと風の生活魔法で乾かす。これなら清潔感を保てるし、野営なんかでも困らないだろ」
学「確かにな。そこまで考えた事無かったけど、言われてみれば確かにどうしているんだろう。って疑問には思うよな。ただそれでも、魔石で良くね?って思うけどな」
樹「うん、魔石で代用はできると思うよ。でもさ、冒険に出る時に何個の魔石が必要になると思う?トイレ用で水、風、隠すように土。火起こし様に火、風。食器洗い用に水、風。明かり用。後は、何だ?」
学「そうだよな。それだけの数を揃えるものだし、どれがどれ用なんて管理も必要になってくるのか。それが自分たちの生活魔法で賄えるな確かに楽だな」
樹「だろ?冒険者、特に勇者は定住が出来ない。となれば、旅の荷物は少なければ少ないほど良い。それに、魔物を倒しての旅だから、いざという時はドロップした魔石で対応も出来るだろうしな」
学「でも、そう聞くと随分と旅しやすい世界なんだな。殆どのものが自分たちで賄えて、途中で魔物からも食料や魔石を得られるから、食事や路銀なんかも困らない。もちろん魔物を倒せる事が前提にはなってくるけど」
樹「そこいらへんは、考え方次第だな。いずれにしても、生活魔法はほとんど人が使えて、魔法が使えないって言うのは攻撃魔法の事を指している。って事だな」
学「そうだね。生活魔法で足りないところを魔石で補っているって感じかな?」
樹「そんなイメージかな。食べ終わった食器、特に食堂なんかでは大量の水が必要だろう。とても生活魔法では間に合わない、だから魔石で水を補う。後は街なかにある噴水なんかの、オブジェなんかにも使われているんだろうな」
学「確かに魔石は便利だな。色んな意味で」
樹「そうだろう、魔石ってだけで色々な説明が出来てしまうんだよ」
学「うん、そうだな。それで、大分話が逸れた気がするがするけど、異世界での服はどうなっていると思う?」
樹「服装ね。うん、難しいところだよね。何よりも俺が服装、特に糸などの材料なんかに詳しくないから、どうしても産業革命後の工場での機織が思い浮かんでしまうんだよな」
学「つまり、説明しようにも、その説明が有っているのかすらも分からない。ってことか?」
樹「そうそう、だから服に関してはパス。どちらかというと歴史関係ならある程度話せるかな?」
学「歴史関係?異世界の?そんなの関係あるのか?」
樹「歴史は思いっきり関係有るだろ。先祖が居るから俺達が居るんだから、とても大事どころかその歴史を考えないでこの先の未来を考えることなんて出来ないだろう?」
学「そんなに大事な事なのか。でも、難しいことは分からないぞ、僕は」
樹「ああ、知っている。簡単に説明するとだな、まず300年ごとに魔王の復活で国が、というよりも世界全体が滅びかける。これは良いな?」
学「うん、魔王の復活で魔素量が増え、魔物が凶暴化する」
樹「そのため、数千人居る勇者ですら魔王のところにたどり着くのに、一つのパーティーだけになってしまう。そして勇者が魔王を倒しても急激に魔物が弱くなる訳では無い。魔素によって魔物の強さが決まるからな」
学「魔王が倒れても、一度取り込んだ魔素が急激に魔物の体内から出ていかない。って事?」
樹「うん、そう。だから300年ごとに復興しなければならないけど、同時に弱い国は魔物達の襲撃に耐えられず、滅んでしまう国も出てきてしまう」
学「厄災かぁ。魔王の復活はそれ程の事なんだな。じゃあ魔王の復活や勇者の誕生が分かれば、世界中の国々は全力で勇者のバックアップをするんだな?」
樹「そんな訳ない。各国が、それぞれの国の事情で勇者を育てる、もしくは国外追放と勇者の入国禁止をどうするかを、一生懸命に考えているだろうな」
学「えっ、何で?それほどまでに魔王の復活が厄介なのに、何で世界の国々は助け合わないんだよ」
樹「それが300年の長さなんだよ」
学「300年の長さって、どういう事だよ。力を合わせないとヤバいことくらい分かるだろう?」
樹「それが分からないんだよ。いや、分かっていてもどうしても低く見積もってしまう。って言った方が正しいかもな」
学「どういう事だよ。本当に何を言っているのか分からないよ」
樹「じゃあ、また説明していくな」
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