第6話:本当のこと。

「あのな・・・待てよ、ははあ・・・そこまでエッチ、エッチって拘るのは

愛とか関係なく、なにか魂胆があるんだろ?」


「白状しろ!!」

「絶対、なにかあるだろ?・・・なに企んでる?ベル?」


「本当のこと話したら、内容次第じゃベルの望みかなえてやってもいいけど・・・」


「ほんとに?」


「ほんとほんとウソはつかない・・・約束する」


「じゃ〜言っちゃうけど・・・私、好きな人のエナジーを吸い取って生きてるの」

「男性のエナジー吸うことによって私はランクアップしてって最後は素敵な

クイーン「サキュバス」になれるの」


「エナジー?・・・それってエキスみたいなもんか?


「う〜んと、エネルギーとか精力のこと?」


「俺の精力を吸い取るって?・・・どうやって?」

「クチから吸うのか・・・チューって?・・・だからさっきキスしたがったのか?」


「そうじゃなくて・・・エッチ」


「え?・・・エッチ」


「そうだよ・・・エッチだよ」


「アルファベット8番目か?」


「・・・そう言うこと、わざと言うんだね」


「分かってるよ・・・なんだよセックスしたらどうなるんだ?」

「私とケイちゃんが肉体的に結ばれたらケイちゃんのアソコから私のアソコに

エナンジーが流れ込んでくるの」

「でもただエッチすればいいってもんじゃなくてお互い愛し合ってなくちゃ」


「なるほど・・・ちょっと待て矛盾してないか?」

「好きな相手なのに大事なエナジー吸い取っちゃうって・・・」


「って言うかさ・・・俺はベルにエナジーを全部吸い取られるのか?」

「で、エナジー全部吸いつくしたあとは?」

「また他の男を求めて異世界を彷徨っていくのか?」


「分かんない・・・私にとってケイちゃんがはじめての人だから・・・」

「大丈夫だよ、エナジー全部吸い取ったりしないから・・・」

「好きな人に死なれちゃ困るもん」


「そりゃそうだよ、俺がもしベルを愛して愛した女からエナジーを吸い取られる

なんて・・・どんなだよ」


「私がケイちゃんのエナジー吸い取ってる間はケイちゃんにもメリットあるんだよ」

「その間はずっとエクスタシー「快感」が続くの」

「ただ吸い取るだけじゃないの、ケイちゃんにも喜びを与えてあげられるの」


「まじで?・・・なんだよ、それを先に言わなきゃ」

「なら話が変わってくるじゃないか?」

「そんな楽しいことが待ってるなら考えてみようかな?」


「いやいや快感が続くって・・・ちょっと怖いよな・・・そのまま天国行きに

なったりしないか?」


「な訳ないでしょ・・・疑い深い人」

「話せって言うから話したんだからね・・・だからしようよエッチ」


「バカな男は女の口車に乗って痛い目に遭うってのがオチなんだよな」

「だからぁ、急がない」


「え〜まじで?」

「ケイちゃんが私を恋人だって認めてくれるまで・・・いつまで待てばいいの」


「全面的に、前向きに対処するつもりではいるつもり・・・」


「でもこのままケイちゃんに愛してもらえないことだってあるでしょ?」

「そうなったらレスだよ・・・レス」


「レスって・・・まだエッチすらしてないのに、なんでそういうことに

なるんだよ・・・」


「もし、そんなことになっちゃったら、私はひとりぼっちになっちゃう

・・・だけどもうどこへも行けないし・・・愛してももらえない人と暮らすなんて

悲しすぎるよ」

「きっと私なんか生きてる価値ないんだ・・・生れて来なきゃよかったんだ」

「天使と悪魔の子なんてみんな嫌ってるし汚れた子なんだよ」


「なに言ってるの?・・・生きる価値ないなんて・・・生れて来なきゃよかった?」


「世界中探したって生きる価値のない人も夢魔もいないよ」

「生れて来なきゃよかったなんて人も夢魔もいないの」

「ベルはさ、ここに希望を胸に抱いて来たんだろ?きっといいことあるって」

「いじめも偏見もない世界を求めてさ・・・」

「だからそんな悲観的になっちゃダメだよ」

「きっとどこかにベルを必要って思ってくれる人がいるから・・・」


「本当にそう思う?」


「思うよ・・・少なくとも俺はベルを認めてるからな・・・偏見とかなくね」

「はっきり言っとくけど、そういうの俺は気にしないから」

「それにさ、そんな愚痴聞かされたら放っておけないし・・・同情とかじゃ

なくて俺がベルの面倒みるから・・・いい返事できるよう努力するから」


「じゃ〜エッチ」


「どうしてもそこから離れられないんだな、そんなに俺のエナジー吸いたい?」

「しつこい女は嫌われるぞ・・・それとも出てくか?」

「まだ押入れの壁に魔法陣残ってるんじゃないか?」


「分かった・・・ごめん」

「もう言わないから・・・だから私、ここにいてもいい?」


「いいよ・・・いていいよ・・・出てくかなんて言ったけど、そんな無慈悲な

こと俺にはやっぱり言えないよ、だからここにいていいよ」

「今夜は俺のベッドで寝ていいから・・・」


「ケイちゃんっていい人だね」


「俺を落としたり持ち上げたり・・・したたかな女だな、夢魔って」

「しばらくの間はエッチって三文字は封印・・・セックスって四文字もダメ」

「いい?」


「私が欲しくなったら言ってね」


「あのな!!」


「ごめんなさい・・・もう言わない」


「ハグは拒否しないからな、好きなだけしてくれていいから?」


(つうか俺がしたいんだけどな・・・癒されるし、めちゃいい匂いするし)

(今まで制服の女子なんてハグしたことないし・・・)


つづく。

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押入れからこんにチワワ。*まだ未成年だからサキュバスじゃないの*。 猫野 尻尾 @amanotenshi

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