第25話



その態度を何度、主人に訴えても取りやってもらえず、腹立たしく思っていたけど、もう、良い。




「……そう、もう、良の。」



流れ行く景色を眺める。




私の顔など、貴方は極力見たくないって事なのね?



口元が歪んだ。




「なら、」



もう、私は願わない。




貴方から差し出される手をただ待つなんて、そんな愚かな事は。




「貴方が、悪いのよ?」



私をこんなにも蔑ろにした、貴方が。




絶対に、許さない。



決意を胸に、流れ行く景色を見つめ、ホテルへ着くのを待った。

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