第20話




なのに、上手くいかない。



「本当、忌々しい。」



裕福な家に生まれ、最高の淑女の教育を受けた私への、この待遇。



夫の“目”に監視され、息の詰まるような毎日は、心が休まる日がない。



「っっ、あの娘のせいで。」



もう一人の娘。



あの日から、全てが狂い始めた。



私の何もかもが。




「全て、あんな出来損ないが招いた事じゃないっ、」



握り締めた手に、力が込められた。



沸き上がる増悪。



全部、あの出来損ないのせいなのだ。

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