第12話
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もう、あの頃のような幸せな家庭には戻れない。
痛感させられた。
「っっ、ねぇ、貴方?」
「……何だ?」
向けられる、冷たい目。
「あの、」
その瞳に、萎縮する。
「はぁ、俺は忙しんだ。」
「……、」
「用があるなら、さっさと言ってくれないか?」
その全身で、夫は私の事を拒絶していた。
自分の妻を。
「っっ、今日、は、家に帰っていらっしゃるの?」
不安な心を覆い隠し、私は笑みを作る。
貞淑な妻の仮面を被って。
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