まさか、重たい恋をするとは思いませんでした

ヨキリリのソラ

ヨウタ日記



―初日―


 俺こと、糸崎いとさきヨウタは普通の人間である。普通に中学を卒業し、普通に高校を受験し、普通に入学した。こんな俺でも何か記録を残したい。そう考えた時、真っ先に思い付いたのは自分の過ごした毎日を日記に残すことだった。


 さて、この日記の名前は何にしようか。ヨウタ日記、は流石に安直すぎるか。いや、案外こういうのはシンプルな方がいいか。


 ということで、高校生活の開始と共に、ヨウタ日記もスタートさせたことを、書き出しとして記そうと思う。



―二日目―


 今日は実質初めての学校。とはいえ、そこまでの不安はなかった。まぁ、なんたって義理の姉が生徒会長だからな。今日だって「心配だから」って放課後は学校中を案内してくれた。正直、姉弟とはいえ…………義姉さんと二人きりは滅茶苦茶ドキドキするんだよなぁ。今日も、内心を悟られないようにポーカーフェイス決め込んでみたりして。



―三日目―


 今日は朝から夕方まで授業だった。何でだろう、別に大したことはしてないのに、凄く緊張して疲れたな。


 ってか、そんなことはどうでも良くて。


 隣の席の子、凄く可愛くて、優しくて。冴えなくて、内気な俺にも気さくに話しかけてくれて。超嬉しかったんだ。また、話せたらいいなぁ。











―●日目―

 

 放課後の屋上で――さんに告白された。まさか、彼女の方から告白されるなんて、思いもしなかったよ。これからは彼女に見合う彼氏になるよう、頑張るぞ。









―●日目―


 最近、義姉さんの様子がおかしい。家でも学校でも、距離が近くて。彼女の話になると、急に冷たい目で俺を見てくる。それに、彼女も彼女で義姉さんと俺が一緒にいると不機嫌になったり、空気が重くなったり。俺はどうすればいいんだろう。











―●日目―


 あれ、何かが、おかしい









―●日目―


 気付いた時には、もう遅かった。

 光の見えない瞳の中心には俺だけ。伸ばした手はどこへも届くことはない。どちらを選んでも、行き着く先は漆黒の茨道なんだと思う。










―●日目―


 もう、決めた。迷わない。





※今後も更新予定です

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