第5話 ぼくの消えた日

 バンヒルはトンネルから抜けた後の攻囲戦の最中。

 もう腕も足もなくなってしまい。

 戦えなかったのだ。


 王城から荷馬車で運ばれ、道路で横たわっていると、その身体を不憫に思った旅人から路銀を少なからず貰った。


 路銀を口に含むと。この国ももう滅びる運命だろう。と、バンヒルにはそう思えた。


 東側に聳え立つ教会に火が上がった。


 その隣の学舎。

 そして、その隣の広場。


 いずれは、全て焼け野原となるだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る