第10話 いかにして「読まれ」、そして「読まれ続ける」か
今回は「自作が読まれなくて心が折れそうな方」向けの創作論です。
自作が読まれない。初心者はもちろん中堅の方も経験があるかと思います。そういう場合、「読みに来てもらう」ではなく「読みたいと思わせる」必要があります。
読者に対して「こっちに来いよ、面白いから」のスタンスではダメだと考えます。書き手が自ら歩み寄るべきかと思います。
では、どうすれば読まれるのか、そして読まれ続けるのか(連載中の場合)、分析してみましょう。
結論から言います。
■読まれる努力
・抵抗がなければ長文タイトルにする
・サブタイトルでネタバレせず、かつ新規読者を惹きつける
・一行目に命をかける気概で挑む
■読まれ続ける努力
・一定のスパンで更新する
・予約投稿機能を使って、ストックがあることを知らせる
順に見ていきましょう。
まずは読まれる努力その1。みなさん、ご存知の通りタイトルは作品の顔です。人によってはプロ作家のように簡潔にカッコよくしたい、と言う方もいるかと思います。私もどちらかというとそうです。
しかし、我々はアマチュア作家です(書籍化される人は除いて)。ですから、タイトルでカッコつけるのもほどほどがよいと思うのです。つまり、抵抗がないのなら、長文タイトルにするのが良いのです。
私の失敗例を出しましょう。普段はミステリーがメインです。昔『季節は巡りて』という長編を書きました。このタイトルだけみると、ジャンルがミステリーなのかよく分かりませんね。
では、成功例はどうか。また、拙作を例にしてみます。歴史ジャンルでタイトルは『大日本帝国、アラスカを購入して無双する』です。長文タイトルかつ何を書くのか、が明確になりましたね。
では、長文タイトルなら何でもいいのか、というと違います。長文タイトルはあくまで作品の内容を簡潔に伝えるためのものです。
読まれる努力その2。サブタイトルにも気をつかう。これはかなり重要です。抵抗がないのであれば、こちらも長文の方がいいです。当たり前ですが、ネタバレになってはダメです。新規の方がサブタイトルをチラッと見た時に「ああ、なんとなくだけど展開が分かる……かも」くらいがいいのです。
読まれる努力その3。一行目に全てをかけましょう。
タイトルで読者を惹きつけて、まずは一話目を読んでもらう、という考えがあります。これは普遍的かと思います。では、一行目に全てをかける必要がどこにあるのか。
読み専の方はお気づきかもしれませんが、第一話だけ投稿した場合は、冒頭部分が紹介文の下に表示されます。つまり、読者は冒頭だけ目を通して、つまらなそうと思ったら、一話を見ることすらしないのです。せっかく書いたのに、読まれないのは悲しいですね。これが一行目が命である理由です。
今度は読まれ続ける努力について見ていきましょう。
みなさん、書き手の方は読み手の気持ちになりましょう。エタる可能性がある作品、つまり更新がされずに打ち切りになる作品は読みたくないですよね。時間の無駄になるので。そこで、読者に安心感を与える必要があります。
まずは一定期間での更新。ここでいう期間とはあくまでも個人のペースです。毎日投稿しろという意味ではないです。3日に一投稿ならいけるなら、そのスパンで更新しましょう。そして、予約投稿するなら、毎回同じ時間にしましょう。なぜならば、小説のフォロワーはいつも同じ時間に読むからです。
普段、通勤時間に読んでいる読者がいるとします。追っかけている作品の更新がお昼だと「同僚とご飯の約束があるから、あとでいいか」と後回しにされます。結果、更新されたことを忘れてしまいます。すると、どうなるのか。未読のエピソードがどんどん溜まり読むのが億劫になると思いませんか。
読まれ続ける努力その2。予約投稿機能をうまく使いましょう。予約投稿可能ですが、「次のエピソードは何日の何時だよ」と表示される機能が追加されました。そして、どのくらいの数のエピソードが予約投稿されるかも表示されます。
ここでもう一回読者の気持ちになりましょう。あなたはストックがないと思われる作品を追いかけますか? 少し不安になるかと思います。打ち切りにならないかと。
読まれ続ける努力ですが、読者の不安感を払拭する必要があります。書くのも大事ですが、たまには読者の気持ちで客観的に考えましょう。
こんなところでしょうか。まとめると「読者に来てもらうのではなく、書き手から一歩歩み寄る」、これが大事かと思います。皆さんの参考になれば幸いです。
追加
PVを気にするのも大事ですが、同じくらいハートの数も重要です。第一話から最新話にかけてPVが減るのは当たり前です。ハートの数は固定読者の数とほぼ同義です。ハートの数が減ったら、そのエピソードのどこが悪いのか改善作を考えましょう。
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