第14話

ぬいぐるみだ。


これは、間違いなくテディベアとかいうやつだ。


え、でもここって学校だよな?


……あれ、学校にテディベアって必要だったっけ…?


椅子にちょこんと座っているテディベアを前に、そんな自問自答を繰り返す事2分。



「っし、見なかったことにしよう」



よく考えたらこの校舎人通り少ないって言ってたし、なんかほら…あれじゃん?


ちょっと怖いじゃん?


こういう時は見なかったことにしてさっさと立ち去るのが一番!



「男子校ならまだしも、共学なんだからやめてよもうっ」



バンッという壁にぶつかるような音と共に聞こえたのは、それには似合わないほわほわとした声色で。


なんだなんだと好奇心でちらっと覗いて見ると



「僕、そういう趣味ないからごめん、ねっ」



「いっ…!? その見た目でこの強さは反則だろっ! ちくしょー!」



ねっ。と言いながら、華麗に一本背負いを決めている副会長の南先輩を発見。

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