第5話

「こら新入生、生徒会長舐めちゃダメだよ?永田さんはD組、中島くんはA組に戻ってね」



生徒会長の言葉に、一瞬体育館内がざわついた。


さっきの不良3人組を指摘した時は誰も不思議に思わなかった。


あの3人が不良だから、先生から注意して見てくれとか言われてるんだろうくらいにしか思ってなかった。


だけど、今回立ち上がった2人は不良って風貌でもなければ、寧ろ優等生がちょっと友達と一緒にいたいから黙ってましたって感じの2人。


先生から指示されているわけでもないだろうし、だからといってこんな100人以上いる生徒の顔を、しかも入学から3日しか経っていないのに覚えているはず……



「生徒の顔と名前、クラスはもう既に把握してるので嘘は通らないから覚悟しておくように」



ニコッと笑顔を振りまく生徒会長は、怖がるべきなのか尊敬するべきなのか分からなかったけど。


少なくともその綺麗な笑顔のおかげで憧れを抱いた生徒が大多数じゃないかと思った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る