第11話 楽しい時間が過ぎた後は災いが起こる


 俺達は、楽しい時間を一杯過ごしたGWが明けた次の日、いつもの様に登校した。三年になってからは俺と美優は同じクラス。昇降口で履き替えてから教室に入るまで手を繋いで入る。


 でも、席が離れているで入口までだ。

「博之、また後で」

「おう」


「博之、おはよ。いつもながら石井さんとは仲良いな」

「当たり前だ。幼稚園から一緒だからな」

「じゃあ、将来も一緒か?」

「まあ、そうだろうな」

「はぁ、ご馳走様」


 そんな話を恭二としていると担任の浦永先生が入って来た。


「皆さん、今日から考査ウィークに入ります。一学期の中間と言えど、皆さんにとっては非常に重要な考査です。特にケアレスは撲滅するつもりで勉強に励んで下さい」



 放課後、美優が

「いよいよ、受験生になって初めての考査だね。絶対に気を抜かないで行こう」

「偉く気合入っているな」

「当たり前でしょ。博之と同じ大学に行くんだから。浦永先生の言っていたケアレス撲滅は重要よね。あれだけで十点以上差が出るから」

「ああ、気を付けないとな」



 そして翌週の中間考査が有った。火曜日から金曜日までだ。手応えは二人共良い。金曜日午前中の考査が終わった後、下校になる。そして来週月曜日は学校創立記念日で休みの三連休だ。


「美優、三連休だな」

「うん、今日は金曜日だしね」

「お昼コンビニするか?」

「そうしようか」


 私達の家の最寄り駅の傍にあるコンビニでお弁当を買った後、博之の家に行った。ダイニングでお弁当を食べた後は、博之の部屋。そしていつもの楽しい事をした。


 次の日は土曜日、博之のご両親はいない。だからいつもの事をした。日曜日は休憩日という事で本を読んだり散歩と言っても何も無い街だけど、二人でのんびり歩いた。


 そして月曜日は、私の両親も居ない。気分転換という事で私の部屋でした。ちょっと気分が変わって良かった。


 毎日やっている様に聞こえるけど、週中は全くしないから健全だと思うんだけどなんて思いながらも博之と体を合せていると本当に気持ち良くて安心する。



 翌火曜日に中間考査の成績順位表が中央階段横の掲示板に貼り出された。俺と美優は

「学年末と変わっていないね」

「ああ、始まったばかりだから一学期末考査と二学期末考査が勝負だ。上手く行けば推薦も貰える」

「そうだね。がんばろう」

「おう」



 §前島

 石井さん、長田君と仲良く出来るのも今週迄よ。私は、あの録画を撮ったと、久保から早くしろとせかされたけど、急いでは事を仕損じる。

 こういう事はタイミングが重要だと言っておいた。あいつには溜まらせておいた方が良い。


 そして、私はこの日の昼休み、石井さんがトイレに入って行くのを見て一緒に入った。誰もいない丁度いい。


「石井さん」

「前島さん、話かけないでと言ったわよね」

「ふふっ、これ見ても同じ事言えるかしら」


 私は、長田君と石井さんが郊外のラブホに入って行く所と出てくる所を撮った録画を見せた。

「これって?」

「心当たり有るでしょう。これを学校に知らせれば、どうなるか位分かっているでしょう。二人共不順異性行為で退学間違いないわ」

「ふん、そんな物誰も信じないわ」

「そうかしら、ネットにアップした上で学校に通報すればそんな事言っていられないわよ。あなたも分かるでしょう」


 なんて事なの。あの時の事をよりによってこの女に知られるとは。私は強引にそのスマホを取り上げようとしたけど

「馬鹿ね、こんなのコピーしてあるのに決まっているでしょ」

「っ!…」


「私のお願いを一回だけ聞いてくれたらその場でこれを消してあげる」

「なによ、そのお願いって」

「今度の土曜日、私と付き合ってくれない。それだけよ」

「付き合ってどうするのよ?」

「それは会ってからのお楽しみ。午後一時に母原町の改札で待っているわ。この事、 長田君に教えても同じ事をするわよ。じゃあねぇ」


 これで石井も終りだ。ざまあみろ。



 私は、トイレの洗面台の前で考えようとしたけど生理的要求のが強くて一度個室に入ってから洗面所で手を洗うと考えた。


 博之に教えないといけない。どんな目に合うかも分からない。でももしそれをすれば二人は退学。そんな事したら。私達は高校三年生。そんな事になったら。


 予鈴がなったので急いで教室に戻った。



 放課後になり、博之と一緒に下校する。

「どうした美優。なんか暗いぞ」

「うん、今度の土曜日、お母さんが用事がるから一緒に来てくれって言うの」

「あれ、美優のお母さんって土曜日は家に居るんじゃなかったっけ?」

「うん、急に土曜日仕事が入ったんだって。それも私が一緒でないと困るんだって」

「じゃあ、仕方ないな。でも土曜日かぁ。痛いなあ」


 私は博之にそうは言ったものの前島の言う事の裏が何となく見えた。絶対に久保がいる。

 ご飯を食べて、お風呂に入って、もう午後十時になったけど、

-この事を話したら博之はどうする。分からない。

-この事を話さなかったら、間違いなくそういう事になるだろう。でもそんな事にはなりたくない。


 もう午後十一時を過ぎていた。

-博之に話してそれでもいいと言ったら、でもそれで済むんだろうか、ネットに流れればお互いの両親にも絶対に迷惑が掛かる。間違いない。私達だけの問題じゃなくなる。

 やっぱり私だけの事にしておかないと。一回だけと言っているし。




 そして土曜日、私は午前中自分の部屋に居た。そして午後一時三十分前に博之に見つからない様に家を出て約束の場所に行った。お母さんには博之と会うと言って有る。


 改札に行くと前島さんが居た。

「来たわね。早速行こうか」

「何処に行くのよ」

「来れば分かるわ」


 歩いて二十分。その間前島さんは無口だ。でもついた場所は…博之と入ったらラブホ。

「前島さん、ここって?」

「そうよ。入るわよ」

「駄目に決まっているじゃない」

「そっ、じゃあ、この録画今からネットにあげるわ。クラスチャットにもね」

「止めて、そんな事止めて…」

「じゃあ、入りなさいよ」


 逃げたくて仕方ない。でも逃げられない。連れて来られた部屋に入ると久保が居た。それも上半身裸。

「まさか!」

「そのまさかよ」

「石井さん、一回だけで良いんだ。本当に一回だけでいいんだ。お前と長田の関係を壊すつもりは無い。頼むこの通りだ」

 頭を下げている。


「石井さん、あなた長田君と散々しているんでしょ。ここで久保君としても分からないわよ。終わったらシャワー浴びればいいし。それにこの録画はその後直ぐに消すわ」


「……本当なの。本当に消してくれるの。だったら今消して。コピーも消してよ」

「あははっ、コピーなんか取っていないわよ。それは信じて」

「騙したのね」

「今更良いじゃない。それより、するのしないの?」


 私は頷くと

「トイレは何処?」

「何するの?」

「分かっているじゃない」

「そうね。じゃあ、久保君、後でね」


 私は前島が部屋から出て行くのを見てトイレに入った。そして全て脱ぐとその洋服を持ってサイドテーブルに置くと

「本当に一度だけよ」

「分かっている」


 いきなり口付けをして来た。そして舌を私の中に入れて来る。我慢してそうさせてると段々、力が抜けて来た。博之とは違う。

 今度は、お嬢様抱っこされてベッドにゆっくりと置かれると後はされるがままだった。初めは嫌でしかなかったけど…。


…………。


 信じられない。博之とは全然違う。頭の先から足の先まで突き抜ける様な感覚。何度も何度も行かされた。もう頭の中はぐちゃぐちゃだ。口に舌を入れられてもされるがままだ。


 こんな感覚初めて。そして段々意識が遠のいて行った。凄すぎる。




「あらあら、凄いわね。足を開いてのびて居るじゃない」

「ああ、途中から何を言ってるのか分からない声をあげてそうなった。最高だったよ」

「じゃあ、この姿も撮ってしまうわね」

「これからが楽しみだな」


「そろそろ起こさないと」

「おおう、じゃあ、俺の口付けで」


 私は甘美な気持ち良さに目を覚ますと、久保と一緒に前島さんが居た。

「なんであなたが!」


 私が体を隠そうとしたけどタオルも何もない。仕方なく体を縮めると


「ふふっ、気絶するなんてとても気持ち良かったのね。長田君より良いんじゃない」

「ふざけた事言わないでよ」

「だって、事実でしょ。素っ裸で足を広げてよだれを口から流していたあなたをしっかりと撮らせて貰ったわ」

「何ですって!」

「まあ、これは必要無いと思うけどね」

「何を言っているのよ」

「その内分かるわ。あっ、そうそう、久保とあなたがしている所も二台のカメラで録画したから」

「……………」


 汚い汚すぎる。これじゃあ、どうしようもないじゃない。


「あっ、もう良いわよ。シャワー浴びて洋服着て帰って良いわ」


 私は急いでシャワーを浴びて洋服を着ると急いでその部屋を出た。あの二人はまだそこに居る。考えるまでもない。


「圭太。今度は私の番よ」

「分かっている」


 私は、ラブホから早足で駅に向かった。涙が止まらなかった。


―――――

書き始めは皆様のご評価☆☆☆が投稿意欲のエネルギーになります。

感想や、誤字脱字のご指摘待っています。

宜しくお願いします。

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