第20話


暁に春が来た。





「……そう、そうなの。」




なんと、喜ばしい。




もたらされた幸福を噛み締める。





いつの間に、暁は、そんな子に出会っていたのか。






あれ?




「…………。」




ふと、目を瞬かせる。





「……戸田?」



「はい?」



「貴方も、暁の”彼女“の事を知っていて、今まで私に黙っていたのね?」




じろりと、私が睨み付ければ、戸田は困ったように微笑んだ。

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