極悪令嬢の勘違い救国記 ~奴隷買ったら『氷の王子様』だった……~

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第1話 レイテ・ハンガリア(16歳)の朝は早い。


「わたし、起床」




 ――わたし、レイテ・ハンガリアの朝は早い。


 石切り場の|石化鶏(バジリスコック)が鳴くよりも早く起きると、朝の身支度を自分で開始。

 鏡台に腰掛け、自慢のさらさらな銀髪に櫛を通していく。


 メイドたちは使わない。

 先日、『わたしの朝の身支度権』を賭けて殴り合いをしやがったからだ。

 なので罰としてわたしの身支度は全員禁止。しばらく自分でやることにした(なんかわたしが一番被害被ってんだけど……)。


 まぁいいわ。庶民というのは浅ましき存在、よほど大金持ちのわたし様に気に入られて給料あげてほしかったのでしょうね。ふふん。


 

「さて、今日のわたしも完璧ね……」


 

 鏡に映った自分の姿にうっとりしてしまう。

 まさに芸術品だ。この世の至宝だ。わたしほど美しい十六歳美少女が存在していいのだろうか? いいやよくないきっと罪だ。



「……おそらく、美の女神様が嫉妬したんでしょうね。十二歳あたりから身長がほとんど伸びてないのはそのせいね」



 うーんそれだけが悩みなのよねぇ……。へこむ〜。


 まぁでも毎日牛乳飲みまくってるから、来月にはナイスバディ美女になってるはずよ。

 信じましょう自分を。なんか先月もそう信じてた気がするけど。


 というわけで、



「今日も黒くてゴシックで、出来るだけ『悪そうなドレス』を選んでと……」



 いつもの服装に着替えると、窓の外に向かって堂々と宣言してやる。



「領民どもォッ! 今日もこの、極悪令嬢レイテ様がコキ使ってあげるわァッ! おーーほっほっほっほぉーーー!!! おほッ、げほォッ!?」



 む、むせたァッ!



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【Tips】


レイテ・ハンガリア:自称極悪令嬢。猫が好き。


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