第30話

「意地」


 バッキーと向き合う

 

 バッキーもガタイはいいが

 三年だけあり一回り大きい


 相手が

 『バカにしてんなよ』

 と右拳で

 バッキーを殴った

 が

 バッキーは頭ごと相手に

 突っ込んでいった

 いつもなら

 そこで相手ごと倒して

 馬乗りになりたいん

 だろうが"ずずーっ"

 とそのまま受け止められた

 背中をめった打ちにされ

 体ごと起き上がらせられ

 殴られたが、

 バッキーは倒れなかった


 真人がやられた意地だろう


 バッキーが

 殴られ続け膝が折れ体勢が

 下がった瞬間

 飛び上がるように

 相手から見えない角度から

 "ガチン"頭突きが顎に当たった


 『あれは効いたな、

  頭突きは効く

  しかも顎に完璧に入った

  意地でも真人の返しってとこか

  やるなあバッキー』


と話していたが

 これで決まらないとキツイ

 事はよく分かっていた


 相手もフラフラ後ろに、

 二、三歩下がったが

 完全に頭突きや

 体当たりを警戒している


 蹴りやパンチを繰り出し

 もうバッキーの顔は腫れ上がり

 原型がないくらいに

 なっていた

 それでも倒れないのは

 仲間の為だ

 バッキーは普段は優しい

 薪ヶ丘は薪ヶ丘の意地があった


 もうほとんど動けないが

 それでも倒れない姿を見て

 相手は怖いとさえ思うだろう


 『もう戦えねーよ、

 こっちの勝ちだろ』

と訴えかけるが

 

勇が

『お前がこれ以上戦えねーんだろ

  どこまでもやれねーなら

  出てくんな』

と言い

 真人も

『薪ヶ丘の意地見せてる

  いいとこなんだよ』

 と

 俺と聖川は

 『コイツらも俺たちに

 任せてばっかりは

 プライドがあるんだろうな』

と話し

 『でももう危ないだろ、

  意識あんのか?』


 と話していた


 最後の攻撃だろう

 バッキーが

 『逃げんなよ』

 と小さい声を絞り出し

 殴りかかった所を

 避けられ

 

 殴られ

 崩れ落ちた


 真人と勇が

 バッキーを抱えてもどり

 コンビニに行かせたヤツに

 見といてやれ、と言い

 真人が

 バッキーに『ありがとな』

 と言った


 相手側が

 『もう終わりにするか?

 弱いヤツばっからだし許してやるよ』

とまた言いだしたので


 聖川が

 『しつけーぞお前、

 こっからだろ』


とブチ切れた声を出し


 『俺がうるせーヤツらを

 黙らせてやる

 俺の仲間に、ここで

 負けたヤツはいねー』


と胸を叩いた



 梁山の人間がJJの先輩に

 『今1対2だろ、次やられたら

 厳しい状態で何であんなに

 最初と変わらない勢いなんすか?』

 と聞くが

 『後に控えてる奴等に

 それだけ安心感があるんだろ』

 『そんな頼りになるんすか?』

『浦学の頭でもあの中じゃ

 トップじゃねー、

他の学校なら全員頭だろうな』

ヤンキーの鏡とゆう1年に

『お前の壁になるかもな』

 と言うが

 『梁山はこうはいかないです』


と厳しい顔で言う


 『4人目早くしろ』

 と聖川が言い


 相手はこの前いた表向きの頭

 が出て来た

コイツは表向き頭だけあり

 幹部の1人だった


 『お前が来るの待ってたんだよ、

 この前はなめた口ききやがって』

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