第18話

「馴れ合いよりも刺激を」


政は抜けたが、

会えば必ず笑いかけ

時には集まりにも

顔を出していた


体育祭は終わり、

正月は皆んなで

崖のある

山に登り

そこは

色々な形の岩があり

デカい岩に穴が

空いていたり


周りには木も落ちて

いるので、

31日から

焚き火をしながら

それぞれ仲の良い

ヤツとバラバラに

話をしたり

全員で

今後を話したり


刺激的ではないが

上から街を

見下ろすと

まだまだ

手の届いていない

場所が広く

自分達の

小ささを改めて

知った


中学生にしては

秘密基地のようで

楽しい場所だった


俺が

『この先どうすんだ?

龍善が戻って来ても

このまま火の粉が

現れるまで待ってるだけか?』

ふと思った事を

口にした


豊が

『三年が卒業間近に

なると、

来るかもしれねーぞ?』

俺は

『そんな

思い出作りには

付き合って

らんねーよなぁ』

と言い

涼が

『どこまで上に

行きてーんだ?』

と言い

『んーっ、つっても

やたらめったに

攻め込みに行っても

だせー気がすんだよ』

聖川が

『喧嘩相手が

いねーんだろ?

超が付くくらい

有名な所も接点がないし』

光ちんも

『ドンドン畳んで

潰すのはいいけどよー、

筋が通らねー事は

してこなかったしな』

俺は

『要するに

敵がほしいんだよ、

梁山以外で市内で三鬼龍を

背負ってんのはウチ

だけだから、

来ると思ったけどな』

豊が

『俺たち一年だから

三年になって暴れ出す

ヤツらが多いだろ普通

それが一番の原因だよな』

光ちんが

『確かにあと二年も

待てねーよな』

『ああそれなんだよ、

真人達も暴れ回ってんのに

この地区にどこも来ねー』

聖川が

『よし、二年になったら

相手は三年もいるし、

ハンデ付きで攻め込むか』

光ちんが

『聖川珍しいじゃん、

いつも落ち着けよって

言うのに』

聖川が

『このままじゃ

知らないヤツから

"人数の多いカッコだけ"

って思われるかも

しれねーしよ』

涼が

『確かになぁ、

それが一番ムカつくな』

光ちんが

『じゃ

春休み入ったら

潰しに行くか

ちょうどいい話がある』

『相手は?』


光ちんが

『勇から聞いた話だ

冬以外なら

毎月縁日をやってる

とこあるだろ?

そこに

生意気そうなのが

来てるらしい』


俺は

『あれ知ってるって事は

そう遠くないか』

豊が

『あの辺人の通り

多いしいいかもな、

生意気なのいるかも

しれねー』


聖川は

『真人があの辺いるから

狩られてるかもしれねーけど、

まぁでもいいと思うぜ』


涼は

『久々だなぁ、

向こう方面行くの』


俺は

『一年も我慢したぜー』

そう言って

風神と雷神がいねーのは

カッコつかねーけど

と思っていた


豊が

『そう言えば森って

来ねーじゃん』

涼も

『冬休み終わって

来なかったら

来ねーな』

聖川は

『来たらどうすんだよ?』

と俺に聞き

俺は

『とりあえず

背中の落とし前は

付ける、

そっからは森次第だな』

光ちんも

『それでいいよ、

向かってくるなら

やるし、

いつだってシンプルだろ』


そう言って

自分達の転校生と

まだ見ぬ敵に

目が向かっていたが、

龍善の帰りは

急な事だった

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