第40話 アテーナイエが最後に残したもの



ザルカワは、黒沢の攻撃魔防であっさり返り討ちになった。


「ザルカワ君!!」小夜が叫ぶ。


「黒沢!!」


星哉が黒沢に攻撃をしかけるが、星哉の中のジークフリートがかつての仲間のサムソンを想い、上手く体がうごかない!!攻撃は失敗した。


それは、アンナの融合者、加奈子もネイトの融合者の小夜も同じだった。


智紀達が連携攻撃で攻撃を仕掛けるが、サムソンである黒沢の無効魔法でかき消される。



「これで終わりかい?」


サムソンである黒沢が攻撃魔法を唱え、皆に大ダメージを与える。



「僕たち、負けちゃうの?」



乃蒼が黒沢の元に進んだ。


「叔父さん?」


「ステファノスの力があれば、魔王を倒せる。……僕の命と引き換えに……」


「叔父さん!!駄目だ!!」智紀が叫ぶ。




ステファノスの力を使おうとする乃蒼。


しかし乃蒼は立ち止った。



「俺をエリュシオンの宝で倒さないのかい?」


黒沢が言った。



「……母さんの事、大好きだった」


乃蒼がぽつりと、しかし芯の通った声で話した。


「母さんがこの世界を作ったのは、僕の悲しみを消す事。でも……!!母さんの……アテーナイエの本当の願いは……!試練を超えて強くなって欲しいという、僕への愛だった」



「叔父さん……」



その時、乃蒼の体が光り、辺りを照らした。



王座のそばにあるパイプオルガンのピアノが変形し、乃蒼を誘っている。



乃蒼の融合者のチビノアが乃蒼に語り掛ける。


「アテーナイエさんが……君のお母さんが最後に君に書けた魔法だよ」


「母さんが……?」



アテーナイエは死ぬ前、乃蒼の額を自分の額と合わせ、何か呟いていた。



そのアテーナイエの台詞が鮮明に乃蒼に響いた。



ーーーあなたは、強い。優しい。信じてるーーーー




「お母さんの愛で、ステファノスの力が最終形態に変化したのさ!」



「さぁ、エリュシオンの宝の力を使う時だ!!」



チビノアは叫んだ。



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