第35話
知らないふりをした方がいいのかも。
「と、も、だ、ちっと」
「ゆうてそんなに絡んで無いけどね」
「最近なんか地味子ちゃんと一緒だしね」
「えー?でも、暁呼び許してくれたじゃん」
こんなこと、彼らにとっては痛くも痒くもないのかも知れない。
……だけど、
「あ……の、」
「うわ、出た地味子ちゃん」
黙って見過ごすのは……わたしの事を"友達"だと言ってくれた彼を裏切ってしまうような気がした。
「……ほ、本人に、許可を…」
「え?なんて?」
緊張で声が震えて、足が竦んでしまう。
お風呂に入ったばかりだと言うのに背中を冷や汗が伝っていくのを感じた。
「許可は、得たんで…すか?」
「は?」
口を出されて癇に障ったのだろう。
途端に声を低くした彼女たちは、「あんた何様?」と口を揃えて悪態を付いた。
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