第28話

コンビニの前でこうして友達……と何かを食べるなんて経験も初めてだ。


なんだか悪い事をしてる気分だった。


初めて食べる肉まんの味はもうあまり思い出せない。




「はぁ〜満たされた〜」




コンビニからの帰り道。


白い息をはあっと吐き出して満足気に空を仰いだ桐生くんは「ねぇ、くるみ」とごく自然にわたしの名前を呼ぶ。




「……は、はい」


「学科の勉強一緒にしない?」


「えっ…」


「てか教えて欲しくて。依織はバカには付き合ってらんないって教えてくんねぇの」

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