第8話
激しいバス酔いで始まったのは、自動車免許を取得するための二週間の合宿。
「ここ座っていい?つか座んね」
「……ぇ、」
「マジでもうたいちょー平気?バス酔うよなぁ。実は俺も結構さんかくきかん弱くてさ」
「三半規管な」
今日からのスケジュールや宿泊施設の説明のために入った大きなセミナールームには、三人掛けの長テーブルがずらりと並んでいた。
目立たないようにと一番奥の端っこの席に座っていたら、後からやってきた金髪と銀髪の男の子が座ってくる。
たくさん席のある中……なんでここに?
そう思わざるを得ない。
学校みたいに机がひとつひとつ離れていないから、少し動けば肘がぶつかっちゃいそう。
毎日のように見ていた制服の学ランではなく、もちろん私服で。
それになんだか、ふわっとフローラルの良い香りがするから余計に緊張してしまう。
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