第2話



「………………っ、莉茉っ!」





崩れ落ちた莉茉に駆け寄り、高崎暁がぐったりとした身体を抱き上げるのを、私は放心しながら見つめる。










な、んで。






………………どうして、こうなったの?








うん、分かってる、私が悪いんだって事は。




「っっ、」




ぽろりと、私の目から涙が一粒、下に流れて、零れ落ちていく。








ーーーーねぇ、莉茉。






お母さんが、どうしてあんなにも貴方だけを忌み嫌うのか、知ってる?








それは、




………………ただ、貴方を恐れたから。








莉茉が“あの日”に真実を知ったと、お母さんが思った故の恐怖心。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る