第54話

有紀くんに連れられて行った先は、


景色のいい公園だった。


ここの公園は高台にあり、遮る物がないので、


360度に景色が浮かぶ。


「綺麗だね。」


「うん。」


この時の私は幸せでした。


ずっとずっとこの時間が続けばいいと願いました。


でも。


「はる、俺もういなくなるんだ。」


そんな有紀くんの突然の言葉に、


私は何も言えなかったんだ。

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