第52話

少し疑問に思ったが、


「はる!行くで!」


なんて手を取って有紀くんが笑って言うから


そんなことはすぐに気にしなくなった。


だけど、有紀くんは知ってたんだよね。


自分がもう少しでいなくなること。


だから、私に優しくしてくれたんだよね。


夢も希望も無い私の世界、


それを変えようとしてくれたんだよね。


気がつかなくてごめんね。


有紀くん。


有紀くん。


ありがとう。

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