第31話

正直むっとした。


だけど、それよりも。


「…あの、羽、見えてるんですか?」


そう、問題はそこだ。


私以外に羽が見えるひとには出会ったことが無いから。


「…あぁ、見えてる。


俺には一つの羽しか無いけどな。


でも君にはそもそも無さそうやから。


なんでやろ?思って話しかけた。」


彼はそう言いながら短くなったタバコを口へと運んだ。

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