第29話

そんな私の視線に気づいたのか、


彼はこちらを見る。


パチリと目が合い、


私は慌ててそらした。


…すごく綺麗な顔をしていた。


ドキドキしている胸を押さえる。


誤魔化す様に、


煙を吐き出すと、


「なぁ、君、羽ないん?」


と、突然話しかけられた。

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