第31話
「あ、ううん。少し考え事してて」
「……そうか」
無表情な彼の顔からは何も読みとれないけど、その落ち着いた低い声音はいつ聞いても心地いい。
「うっわー、珍しいとこ見ちゃったー!ねえねえ悠、見た?今の見たー?」
「見た見た。この短期間ですげぇな、お前」
「……黙れ」
ふふっと思わず笑ってしまった。
こんな風にしてると、案外東も西も変わらないんだなって思ってしまう。
ああ、そういえば。
壮太は学校どうしてるんだろう。
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