第11話
外はまだ雨。
止んだら行こう…。
冷蔵庫から取り出した水を飲みながら、ふと窓の外に目を向ける。
雨は好きじゃない。好きになれない。
だってあの日も雨だったから。
聞こえるのは私を嘲笑う声。
鈍い痛みと共に吐き気が込み上げてくる。
雨の匂いと土の匂いが混ざって──。
…嫌なこと思い出した。
雨はいつの間にか止んでいる。
「いつ。いつになったら私は──」
なんて、考えていたってしょうがない。
さて。
「行こうか」
天気予報の確認を忘れずに。
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