キャラクターが振り返る 鵺一部四章

 星弥せいや  よっ、ほっ、やあ!

 

 鈴心すずね  ……

 

 蕾生らいお  何してんだ?

 

 星弥  ああ、ただくん。あのね、すずちゃんを狙う魔の手から守ってるの!

 

 鈴心  常に目の前で構えられて、邪魔です

 

 蕾生  ボディーガードかよ。学校じゃあ、爺さんだって手出してこねえだろ

 

 星弥  何言ってるの!? お祖父様じゃなくて、すずちゃんの可愛さに狂わされた男子から守ってるんだよ!


 蕾生  ……


 はるか   アッハ! リンとライがおんなじ顔して引いてる!


 蕾生  中坊に興味持つ高校男子なんていねえよ


 鈴心  む。それはそれで失礼な


 星弥  唯くんは隣のクラスだからわかんないんだよ。すでにうちのクラスの男子の過半数がアブナイ道に堕ちてる! さすがすずちゃん!


 蕾生  へー


 永   ……それは重大だ


 蕾生  お前までなんだよ


 星弥  だからね、わたしがこうして身を挺してね……! ほわたー!


 蕾生  いいのか? キャラがブレるんじゃねえの?


 星弥  わたしのつまんない見栄キャラ作りよりも、すずちゃんの貞操の方が何万倍も大事なんですけど!?


 蕾生  お、おう……


 星弥  ほらほら! こうしてないで、さっさと隔離部屋に行こう!


 鈴心  隔離部屋?


 永   コレタマ部だね(キラン)


 星弥  そういう事! 早く早く!



 

 (in コレタマ部)


 星弥  ……忘れてた


 永   ?


 星弥  ここには、一人、ガチがいた……


 永   オマエ、シツレイダナ


 鈴心  星弥、ハル様にあまり失礼なこと言わないでください


 星弥  わたしは周防すおう君の部下じゃないから!


 鈴心  (ハル様、こんな子でごめんなさい、の目)


 永   (いいよいいよ、の目)


 星弥  コラア! 二人で視線で会話なんかして! 唯くんももっと怒りなよ!


 蕾生  何に?


 星弥  だから、周防くんが──(赤面)ごにょごにょ……


 蕾生  ?


 永   百合っ子にはBLは刺激が強すぎるようだ(ニヤニヤ)


 蕾生  ??


 鈴心  あの、ふざけている場合ではないのでは?


 永   おっと、そうだった。これからの事を真面目に考えないと


 蕾生  萱獅子刀かんじしとうを取り戻す話だな?


 永   うん、そう。一体何処にあるのかなあ


 蕾生  爺さんの研究所が濃厚って話だったよな


 鈴心  ただ、具体的な場所もわからないし。そもそもお兄様の術で隠されてしまっていては……


 永   よしんば見つけたとしても、侵入を試みた時点で殺されるかもね


 星弥  だからとりあえず、兄さんの管理下の秘密倉庫を見に行くんだね


 永   まあね。萱獅子刀がなくても、何かジジイの研究がわかるかもしれない。これだけ長く僕らを追い回してるんだ、それこそ鵺の呪いを解くヒントでもあれば上々だよ


 蕾生  まあ、なんでもやってみねえとな


 永   ジジイの想定内かもしれないけどね。こっちは行動してみないとわからないことだらけ


 鈴心  危険を伴いますが、虎穴に入らずんば……ですね


 永   まあ、いつものことだねー


 蕾生  お前ら、毎回、こんな危険なことしてんのか


 永   うん? まあねえ。でもここ最近は銀騎しらきと揉めてばっかりだから、危険の度合いも想像しやすいっていうか。勝手知ったる敵! って感じ


 蕾生  ふうん……


 星弥  前回の転生ってどんな感じだったの?


 永   んぐっ……!


 鈴心  ……


 星弥  あれ? なんか地雷だった?


 鈴心  ちょっとまだ、詳しくは……


 永   言えない部分もあるし、転生したせいで記憶が曖昧なところもあるしィ……


 蕾生  (ウソっぽいな)


 永   と、とにかく! 行動あるのみなんだよ! 探すぞぉ! 刀ァ!!


 蕾生  (いつになったら……)

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