キャラクターが振り返る 鵺一部三章

 はるか   あー、やばい


 蕾生らいお  どうした?


 永   クソジジイがリンにした事を考えたら、怒りのゲージがやば過ぎて、逆に眠い


 蕾生  おやすみ


 永   違うでしょ! 寝てどうすんの!?


 蕾生  だって爺さんがいないのに、怒ってたって仕方ねえだろ。それなら一回寝てスッキリしたら?


 永   ぐぬぬ……自分はちょっとばかし睡眠に自信があるからって


 蕾生  前世の変な夢見てばっかだけどな


 永   まあ、それは申し訳ない(スン)


 星弥せいや  お待たせー


 永   でたな。百合女


 星弥  うふふふ


 蕾生  (否定しないんだ……)


 星弥  すずちゃんを頑なに「リン」と呼ぶ、執着男さん。落ち着いてね


 永   リンはリンじゃねえか!


 蕾生  俺が眠くなってきた……


 星弥  やだ、大変! ただくんの目を覚ますためにも、銀騎しらきの話をしなくっちゃ!


 永   その通り! もっと教えろ、ブラコン女!


 星弥  (ジロ)……何が知りたいの? ストーカー男


 蕾生  (楽しそうだな……)


 永   やっぱさ、詮充郎せんじゅうろうがどうやってリンを転生させたのか、でしょ


 星弥  知らない


 永   それでも孫なのか!?


 星弥  だから、うちの陰陽師方面のことは、わたしは全然知らないんだってば。兄さんなら知ってるかもね


 永   祖父と不仲だからだろ、使えないなあ


 星弥  その目、ぬるいね。すずちゃんなら、もっと鋭く、刺すようにするよ。この上なく可愛くね!


 蕾生  ふわぁ……


 永   あ! ライくんが眠くなってるでしょ! もっと実のある話をしようぜ!


 星弥  そんな事言っても、わたしが知ってるのはあんなもんだよ。ご存知の通り、わたしはお祖父様には可愛がられてないから


 蕾生  それなんだけどよ、銀騎が俺達に協力してるって、あの爺さんにはどうせバレてるんだろ? 大丈夫なのか?


 星弥  唯くんは、バレてるって……そう思うの?


 蕾生  鈴心すずねが言ってたじゃねえか、携帯電話が盗聴されてるって。そりゃバレてるだろ


 星弥  うーん、やっぱりそうなのかなあ。すずちゃんの考え過ぎって事は?


 永   いや、リンは正しいよ。と言うか、事実はどうあれ「詮充郎に全てバレてる」前提で動いた方が、後々のためにもいいだろうね


 星弥  ……兄さんも?


 永   もちろん


 星弥  兄さんはそんな卑怯なことしないよ


 永   皓矢こうやの意思は関係ない。詮充郎から命令があれば、ヤツは従うしかないでしょ?


 星弥  むむむ……


 蕾生  念には念を入れってやつか。最悪を想定して動いていれば、ある程度は対処できるもんな


 星弥  対処って、例えば?


 蕾生  それは永が考える


 永   丸投げされた!!


 蕾生  とにかく、これで鈴心はこっち側についた。やっとスタート地点についたんだよな


 永   そうだねえ。リンが二年遅れて転生した理由、御堂の家に転生させられた理由。わからないことは沢山あるけど、ホッとしたよ


 蕾生  三人揃うことが、最低条件だもんな


 永   違うよ、ライくん


 蕾生  うん?


 永   三人揃ったことは最高だよ! 僕らが揃えば銀騎なんて敵じゃないから! これからぎゃふんと言わせてやるんだからさ!


 星弥  ぎゃふん


 永   ……


 星弥  あ、ごめん。お話がクサかったから、つい……♡


 永   オマエ、マジ、キライ


 星弥  気が合うのね(にっこり)


 蕾生  ダメだこりゃ、鈴心呼んでくらぁ

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