第6話 あー坊はやっぱりあー坊
久しぶりにあー坊と会った。
説明がややこしいので簡単に…
娘達が進学のため住んでる街と、僕の勤務地は激近で。
あー坊が暮らす街、僕たち家族のお家があるとこは飛行機の距離である。
なので、僕の休暇が近づくと。お家に帰る前に娘たちの暮らす街で一家団欒して帰ろうじゃないかとあー坊が遠路はるばるやって来る!
僕の一番好きな時間が始まるのである。
そして、今回もいつものようにあー坊がやってきて。
僕が、来る。
やく二か月ぶりに見るあー坊はいつもと変わらずにちゃんとあー坊だった。
その事実に安心した僕は、言葉少なめでただそこにいたのである。
パパである僕は、数日前パンダ一号と大喧嘩をした。
そのせいもあって、あー坊に対して
「かわいい!」の一言も言えずにいたのである。
それに不満なあー坊は
「おまえ!あー坊の顔も見れないほどやましいことがあるんだろ!」
と生意気に言ってくる。
おーそうだそうだ!いらぬ疑いをもたれてもかなわんのでいつも通りにしないと!
と思っても、なかなかに覇気が出ない。
大喧嘩はあー坊も、二号も知っている。
いつも通り仲直りするのは実はすごく簡単なんだけど、もうすぐ二号より先に社会人になる一号を思うときちんとしないとなとパパは折れれないのである!
パパの言うことなんてきっと聞いてはもらえないし意味もないのかもしれないが。
だとしても、いままでみたいに甘やかす訳にはいかないと思っている。
本当はギュッとハグしたいし、好きなおかずを作ってやりたい。
そんなパパは、あー坊が目の前にいるのに元気が出ずにあー坊を困らせていた。
そんな中、足りない調味料を買い出しに行こうとあー坊と二号とパパで出かけるため、あー坊がお着替えを始めた。
最初は来ているスウェットの上からダウンだけを羽織るあー坊にパパが
「いやいやいや…ここは地元じゃないんだからさすがにズボンは」
そう言うと
ふんふん!言いながらも去年買っていたスウェットを持ち出して
「これずっと着たかってんねん」
と僕にわたす。
はい!と言わんばかりに差し出されたそれを受け取る僕に間髪入れずに
「着替えさして」
甘えとも命令ともとれる子供のような提案が相変わらず可愛すぎるあー坊だった。
クスクス笑いながら後ろ向きのあー坊のズボンを下げると
見慣れた綿100%のぶかぶかのパンツとそれが似合わない折れそうな太ももが姿を現す。
そこも変わらずにあー坊だった。
ぐずぐずしてるとあー坊から叱責されるので片足ずつ脱がせて履かせて全部終わると
「ぱぱ~」
と子供みたいに僕の膝の上へ…
結局何も変わることのないあー坊の可愛さに癒されるぼくであった。
ちなみにあー坊はピチピチの下着を履くと発狂します。
それはそれでかわいいです。
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