44.試食会と会場設営

翌日の午前10時

 屋敷の調理室には、いつになく真剣な顔をしたリオと料理長のメネだった。早朝からずっとこうして料理について語り合っているとか。ニーアは前世で料理について学んでいたらしいが、リオがここまで料理にはまっているとは思いもしなかったな。


 俺に気付いたリオが俺に抱き着いてくる。


「改めて、おかえりなさい!!」

 

 リオがここまでひっついてくるとは思ってもみなかったな。少し離れるだけで、人ってのはここまで変わるものなのかな。まぁ、美女が抱き着いてくるなんて、嫌なわけがない。内心ニヤニヤが止まんねぇよ!


「カナタ様おかえりなさいませ。」

そんなこと考えていると、メネも遅れて挨拶をしてくれた。

翌日の午前10時

 屋敷の調理室には、いつになく真剣な顔をしたリオと料理長のメネだった。早朝からずっとこうして料理について語り合っているとか。ニーアは前世で料理について学んでいたらしいが、リオがここまで料理にはまっているとは思いもしなかったな。


 俺に気付いたリオが俺に抱き着いてくる。


「改めて、おかえりなさい!!」

 

 リオがここまでひっついてくるとは思ってもみなかったな。少し離れるだけで、人ってのはここまで変わるものなのかな。まぁ、美女が抱き着いてくるなんて、嫌なわけがない。内心ニヤニヤが止まんねぇよ!


「カナタ様おかえりなさいませ。」

そんなこと考えていると、メネも遅れて挨拶をしてくれた。


「今日の昼食は期待していてくださいね。私とメネが二人で試行錯誤して作った。カナタ君考案の料理を試食してほしいの!」

 

「えぇえぇ、私もここまで楽しんで料理の研究をしたのは何時ぶりかと思うほど時間を忘れて、没頭していましたよ。」


 リオの言葉にメネが続く。メネはこの歳で料理長と認められるほどに高い料理技術をもっているが、最近はあまり成果を出せていないようだったから、いい刺激になったのかもね。

 実は王城でも料理を出したことがある、国内でも数えれる程しかいない天才料理人の1人なのだ。

 試作された料理も期待が高まるというものだ。


「二人の作った料理楽しみにしてるよ。」

 そう言って話を切り上げると、二人はまた試食の準備へと戻っていった。


 昼食まではまだ時間があるので、俺は古賀さんのもとへと向かう。会場の設営についての打ち合わせと、例の料理が出来るおっちゃんたちに会わせてもらうためだ。


「おう、坊主!仕事か?」

「はい、今日は何をしてもらうかの打ち合わせをしようと思ってね。あとは、例の三人を紹介してもらおうかと。」


 昨日は堅苦しそうに『カナタ様』なんて呼んでいたがやっぱり、こっちの方がしっくりくるね。俺も気を使わなくていいから楽でいいや。まぁ俺が無理しなくていいって言ったんだけど。


「そういう事なら先に打ち合わせを済ませてからでもいいか?」

 

「えぇ、構いませんよ。さっそくなんですけど」


 まず、今回のパーティーは室内ではなく外をメインで行いたいと考えている。気温も丁度良くなってきたしね。今までに外でのパーティーなんてしたことがないので、食事をするテーブルや料理を提供する場所、休憩所など当然のことではあるが1から準備をしないといけない。それを手伝ってもらいたいのだ。


 ざっくりとやってほしいのは、外に特設キッチンを作るのと、休憩スペースの準備だ。理由はいろいろあるが、おそらく今までに見たことのない料理を食べることになるだろうから、調理工程を見せて参加者を安心してもらおうというのが、うちの料理に興味を持ってくれる人がいればいいなという思惑もある。

 あんまりこっちの世界では、料理工程を公開するフレンチサービス的なものはないようなので、インパクトを与えるのにとても効果的だとも考えている。


 このパーティーは何時も働き詰めている貴族たちに与えられる、休憩時間のようなものだ。基本的に多くの貴族たちが年に一度のこのパーティーを心待ちにしている。まぁ、まともに働いていない奴もいるけどな。

 そんな背景もあって、休憩スペースつまり、周りを気にせずにゆっくりとできる場所というのは必須なのだ。


 「なるほどな。よし!ワシらに任せてくれて構わんよ。建築についてもできるものは多くいるからな」


「それは頼もしいですね!できれば明後日までに完成できるといいんですけど。」


「まぁ、任せな。三日もあれば余裕で終わるだろうからな。」

 その後、古賀さんが例の三人のおっちゃんを連れてきて紹介をしてくれた。


「彼らがワシの知る中でも料理が上手い三人だ」


「突然お呼びしてすいません。三人にはやってもらいたいことがあるので来ていただきました。皆さんにはパーティーの日にお寿司を作って提供をしていただきたいんです。」

 三人のおっちゃんに挨拶をして、やってもらいたいことの説明を簡単に済ませる。

 

「なんだい、そんなことで良いのかの?おっと、自己紹介が遅れたな、わしは出雲 圭一郎いずも けいいちろうという。」


 しぶられるかと思ったんだけどなんか肩透かしをくらった気分だ。

 あと、ほかの二人の名前も聞いた。

 まだ白くなりきってない髪の、おっちゃんは三枝 剛さえぐさ つよしと言うらしい。

 腰に立派な日本刀を携えた、一見戦闘職にしか見えないおっちゃんは馬酔木 与一あせび よいちさんだ。

 

「よろしく頼みます。今回は、リフェイル国王を含めたこの国の重鎮の多くが食べに来ます。この国にお米を広げるために頑張ってもらいたいんです。材料は全てこちらが用意しようと思います。費用もできるだけ出します。要望があれば言ってもらって構いません。皆さんの料理の腕前を俺のために使ってくれませんか?」

 

「うちの頭は主に下ると決めました、それに家臣であるわしらに頭を下げなくともよいのではありませんかな?カナタ様の意思しかと感じさせていただきました。それに、働く場所というのは以前よりずっと望んでいたものです。必ずや成功させて見せましょう。」

 俺の熱意が伝わったのか三人は頭を下げて、料理とお店の成功を約束してくれたのだった。


 三人との軽い打ち合わせが終わった俺は次にアルフハーツの街の腕利き鍛冶師のドワーフ ケイハンさんのところへと向かう。


 実はケイハンさんには、外で使う用の大きなテーブルとイスを作ってもらっていたのだ。今日はそれを受け取りに来たのだ。


 お偉い様方が使うと聞くとめっちゃ気合を入れて、豪華に作ってくれた。


 ケイハンさんの作ってくれたイスとテーブルを異空間収納アイテムボックスに収納して、屋敷へと足を向ける。


________________

「おかえりなさいませ。カナタ様 リオ様と料理長の作った料理の試食の準備が出来ています。こちらにどうぞ」

 帰ってすぐにハルヒに迎えられ食堂へと案内された。


 テーブルの上には、俺がこの世界に転生してから10年間食べたかった地球の料理の 数々が並べられていた。

 

「うわっ、すげぇ、これは肉じゃがかな?それに、ハンバーグじゃないか!!!」

 俺が興奮していると、さらにニーアが唐揚げを運んできた。おいおい、まじかよ。めちゃくちゃうまそうじゃねぇか!米が欲しい!まだ米を炊く準備が出来てないことが悔しくて仕方がない。(ちなみに外では窯を使って侍料理人さむらいりょうりにん三人が寿司を作るために炊いている)


 他にもニーアが作ったカレーや野菜ドレッシングなどテーブルの上がどんどんと埋めれれていく。    


 この光景には、父さんに母さんさらには、メイドたちまでもが驚きを隠せないで目を見開いている。


 料理の配膳が終わるとリオとニーアが並んで、「「お召し上がりください」」その言葉と同時に俺は大好物ハンバーグへと手を伸ばす。

 ナイフで真ん中を切るとなんと中からはトロトロのとけたチーズが大量にあふれてきた。一口サイズに切り分けたチーズINハンバーグをフォークで口に運ぶ。『幸せ』その一言だ。この10年間頑張って来てよかった。これは俺へのご褒美だろうか?


 唐揚げに手を伸ばしかけたところで、父さんと母さんの『え、どうやって食べるの?』という視線に気づいた。


 「ゴホン、二人とも父さんと母さんに食べ方を教えてあげてくれ。」


 父さんと母さんのことはリオとニーアに任せて、俺は唐揚げを口に運ぶ。

 ジューシで、とてもうまい!


 手が止まらねぇよ!!肉じゃがも一口、美味しすぎて涙が出てきそうだ。いつまでもこの時間が続けばいいのに。


 リオとニーアからの説明を受けた二人も料理に手をつける。初めて食べる料理に二人とも驚きつつも、食べる手を止める気配はない。


 極めつけはカレーだ。今日はパンだけだが、パーティー当日にはお米と一緒に食べることが出来るだろう。さすがはニーアというべきか、完璧な出来栄えである。料理科志望だっただけあって、異世界でも完全に日本のカレーを再現しきっている。


 そして、リオだがこっちは正直驚いた。俺は地球の料理について、簡単に話しただけだし、ニーアもほとんど料理には携わっていないと言っていた。それなのにほぼ完璧に地球の料理を再現してのけたのだ。正直、天才としか言えないな。これからとても楽しみだ。



 この後も試食?を続けた。

 ちなみに余談だが今回の試食で用意されていた10人前は、俺と父さんと母さんそして、途中から食べるのに加わった、リオとニーアの5人でなんと30分ちょっとで食べきってしまったとか…


_______________________

あとがき

 ニーアの料理作りパートもいつか書きたいなと思っています。ここで書いてしまうとさすがに先に進まなすぎるので、この章が終わった時に閑話として書きたいと思います。今後もよろしくお願いします。









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