38.決着と広がる闇
俺が日和さんを助け出したことで、一気に戦場が動き出す。
徳山さんと古里が刀を抜き全力戦闘を始める。それに伴って、外で待機していた反乱軍がパーティー会場へと雪崩れ込んでくる。
雪崩れ込んできた反乱軍を返り討ちにしようと会場にいた武士達も戦闘体制をとり、乱戦状態になってしまっている。
反乱軍の奴らは、日和さんを人質に取れればまた優位にたてると考えてか、日和さんを狙っている奴が多いように感じる。日和さんとハルヒを守ってくれている、システィアさんも結構大変そうだ。
こんなふうに戦況を分析している俺だが、目の前にはついさっきまで日和さんを人質に取っていた悪魔がいる。
「おいクソガキ!テメー自分が何をやったのかわかってんだろーな!この俺様を敵に回して生きていられると思うなよ!」
ガチギレである。それも俺のせいなのだが、
「そんなに怒んなよ、この騒ぎは全部お前が仕組んだことか?」
「はっ、全部俺のせいにして貰っちゃ困るぜ、俺は契約に従って反乱の手助けをしたまでだ」
でました、悪魔の契約。5年前のスタンピードを起こした悪魔はニブヘルム帝国からの刺客ではないかと言うことで、見解が一致している。
「お前と契約した人間はどこのどいつだ?俺のことをこの世界に召喚したのは、帝国とか言うところの、国防長だったか?」
思った以上にあっさりと答えたな。
「そんなに簡単に答えて良かったのか?」
「ガキに心配されるような事じゃないね。俺はあんなクソジジィ供が苦しむところが好きなんだ。あんなやつの下につくなんて真っ平ごめんだね。」
なかなか感情的なやつだな。こんな考え方の悪魔もいるんだな。こいつの考え方には少しだけ好感が持てる。
「おいガキ、お前は俺の遊びの邪魔をしたんだ、苦しむだけじゃすまねぇぞ!」
正体を隠す気が無くなったのか、背中からはコウモリのような羽を生やして俺の上を飛び回る。
システィアさんは悪魔だと気づいて、俺に加勢しようか迷っているように見える。彼女には日和さんとハルヒを守って貰わないといけないので、手で『来なくていい』と合図をする。
「お前がその気なら、俺も遠慮なく飛ばせてもらうよ。
フレイムウィング」
俺も悪魔に対抗するように、炎の翼を生やす。ここ(室内)じゃ空中戦をするには狭すぎる。
徳山さんには申し訳ないが、少し穴を空けさせてもらうか。
「何をごちゃごちゃ言ってんだよ!」
おっと口に出てしまっていたらしい。
「飛んできたのはビックリしたが、ガキにはこれで十分だ。
「シャドーウェポン<シールド>
この程度じゃ俺は殺せねぇぞ。今度はこっちから行くぞ
前世では、学校の実験なんかで何度も見たことがある水素爆発を規模をでっかくして発動して見た。
城の壁が一面吹っ飛ばしてしまったが、予定通り悪魔を外に出すことができたから、良かったということにしよう。徳山さんには後で、お詫びをしないとな。
とりあえず今は、あいつを倒すことに集中しよう。
「イッテェなぁ!まさか俺の攻撃は効かないのに、お前の攻撃で俺がこんなにダメージを喰らってしまうとは、一生の不覚だ。」
「はぁ、今ので死んでいれば楽だったものを。結構本気で撃ったんだがな。」
死んでないとは言っても結構瀕死のように見える。左腕は欠損しているし、全身血まみれになっている。
しかし、見た目とは裏腹に声には覇気がこもっており、まだまだ戦えるということを感じさせてくれる。
「まだまだ、こんなこんなもんじゃねぇーよなーー!」
そして、どんどんと回復していく。ほんの数秒前まで無かったはずの左腕が今では、何事もなかったかのように元に戻っている。
「なんて回復力だよ。」
とか言ってみたが、鑑定で、あいつの魔力が結構な量減ったことはわかっているので、5年前の悪魔と比べると簡単に勝てるかなと思う。
「
禍々しい見た目の爆弾が空中に静止する。間違い無く当たったらヤバいやつだ。
だけど少しだけ、当たったらどうなるのか気になる。…こんな気持ちはしまっておいて
「いい加減終わらせよう。」
あいつの魔力ももうすぐ尽きるが、それは俺も同じようなものだ。実際はまだ1000近い魔力が残っているが、これは戦い終わった後もある程度自衛できるようにとっておきたい。そうなると撃てる大技は後一回が限界。
「この技でお前を倒す。ブラックホール」
「な、なんだこの感覚、魔力が吸い取られていく」
悪魔から魔力を吸い上げて、俺の空間へと投げ込んでいく。
とうとう、爆弾を維持する力も無くなったようだ。
「こんなことがあっていいのかよ!」
地面に真っ逆さまに落ちていく。フレイムウィングを維持するのも大変だからな。
この技は何度使っても慣れない。消耗は激しいし、消費した分の魔力も回収できないから損だ。
あんまり使いたくないが、今みたいにすぐに決着をつけたい時には使える魔法だ。
「動けない。何もできない、このまま死ぬのか?あいつが降りてくればトドメを刺される。イヤだ!」
俺は地面に降りて、トドメを刺すために悪魔に近づいていく。
「シャドーソード
はぁ!」
キンッ
俺の剣が弾かれる。まじかよここで真打ち登場とか、ついてないな。
「誰だ?」
「今はまだ、名乗る時ではない。今日はそこの悪魔を回収しにきただけなんでね。悪魔の王に反抗精神を抱くこいつは私の悲願のために必要なのさ。」
「はいそうですかって、連れて行かせると思うかよ?」
「すんなりとは行かないでしょうが、あなたももう限界でしょう?今の消耗し切っているあなたに負けるほど弱くはありませんよ。あなたは以前にも悪魔を一体倒している。これだけでも警戒するには十分過ぎますから。」
「そうかよ。確かにこの場(人里のど真ん中)での戦闘はあまり好ましくない。周りにも被害が出そうだしな。はぁ、今回は見逃しといてやる。」
こいつを野放しにするのは危ないというのはわかっているが、この現状で戦っても勝てる確率はそう高くは無い。被害が大きくなるのは、避けるべきだ。
「話がわかる方でよかったです。それではまたいつか。」
そう言って瀕死の悪魔を連れてどこかへと消えた。
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