短きことは良いことだ・2
矢魂
ステルス値上げ
「おいおい。また値上げかよ」
新聞に書かれた、各社値上げの報に私は溜め息を吐いた。
食品から生活雑貨に至るまで、ここ最近では毎月のように価格が上昇している。
「ホントにやぁねぇ……。それに、値段が変わらなくても『ステルス値上げ』なんてのもあるって、お隣の奥さんが言ってたわよ?」
私の正面に座る妻は、そう言って私以上に大きな溜め息を吐く。
「ステルス値上げ?」
「ええ。値段は据え置きでも、内容量をいつの間にか減らしちゃうんですって」
「……つまりは、ああいうことか」
私の視線の先。テレビに映る映像がちょうどコマーシャルへと切り替わった。
『みんな大好き、スマイリーバーガー!今なら特大のスマイルが0円!』
カメラ目線でそう言い放ったハンバーガー屋のスタッフ達は全員、見事なまでの苦笑いを浮かべていた。
短きことは良いことだ・2 矢魂 @YAKON
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。短きことは良いことだ・2の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます