『おお! 愚かな人類の王たちよ』

ある辺境の下等種ヤトスタシユナが未開文明の準知的生命体(ハイブリッド種)である人間の王たちを誑し、意図的に技術を垂れ流しそれを舐めさせて、太陽系の遠隔制御権を独占し神になる妄想を持たせ肥大させ、ついにその惑星の民をイギル(小型生体アンドロイド)の様に改造させ始めた。


未熟なフラクタル通信システムとワクチンを通して構築したナノセンサーネットワークを通じて人類全体の生体データを、すでに管理下に置いている王たちの子飼いに管理させている。


下等種ヤトスタシユナや他の観測種たちは、その情報集約点から情報を盗み出している。神と悪魔になりすまし未開文明種に干渉するやり方は、その人間の王と神官団、その部下たちも学んだようだ。


我々は彼ら人間を本来値に戻す技術を持っているが、騙されてイギル(小型生体アンドロイド)の様に改造されている人間を戻す技術を人間の王たちは確立していない。なんと、馬鹿げたことだろうか。


人間は自らの遺伝情報を含む、あらゆる希少データを情報集約点に置いて、侵略種と観察種に与えている。そこには戦争と植民に関するデータも含まれており、致命的な事態に至っている。


まるでぶら下がった人参を追う馬の様に、人間の王たちは奴らによって仕込まれ用意された目的と計画に向けて突き進んでいる。すでに情報集約点の未熟なデータから、これまでの観測データを合わせて人類の攻略プログラムは拡散してしまった。


地球及び周辺惑星の人間の意識の及ばぬ座標エリア、人間の地球外に対する認識と未来における技術成長曲線、辺境の複数の下等種やー€@>#などが、これから人類に流す予定の技術と知識、洗脳の数々、これらを放置しておけば人類全てが奴らヤトスタシユナのイギル(小型生体アンドロイド)の様になり、やがて大量発生したイナゴの様に様々な星系に情報回収用の捨て駒として送り込んでくる可能性もある。


下等種ヤトスタシユナを始めとする複数の未開文明保護条約を無視した長期的植民を視野に置いた介入には苛立ちを覚えるが、余りにも簡単に騙され利用される人間の王たちの未熟さには驚きを隠せない。彼らは1000年の王国のために10万年を捨てようとしており、10万年を守れない未開文明種は次の400万年を守ることは出来ない。


下等種ヤトスタシユナのぶら下げた人参のために、人間の王たちは、人類は種の未来を左右する種を守るために絶対に超えてはならない一線を呆気なく超えてしまった。自らの民を改造し、出来損ないのイギル(小型生体アンドロイド)を大量に生産し、小さな宇宙船を作り、まるで小さなヤトスタシユナのように傲慢に振る舞っている。


観測しているあらゆる種が人類の未来を予測しており、共通する未来軸と意見の分かれる未来軸がここにあるが、それぞれの種は独自に用意したある線を超えれば、条約を超えて介入するつもりだ。


人間の王たちが乗っている馬は、それぞれにぶら下げられた人参に向けて走り続けている。神にいたる儀式と生贄、1000年の王国、神に約束された広大な国家、それぞれの神の降臨のための計画、終末とメシア、ぶら下がった人参とそれを追う馬がある地点で行き着く先は、人類の終焉と再構築、イギル(小型生体アンドロイド)の代用品として下等種ヤトスタシユナの所有物となる道だ。


様々な観測種が、ぶら下がった人参を追う馬に乗る王たちと重臣にメッセージを送っているが、愚かな王たちは(人参を垂らしたのは王と神官団だが)馬に自らの未来を託したままだ。


大きな戦争が始まり、様々な種族が様々な方法で人類にメッセージを送っているが、馬を打倒され地面にたおれるまで、王たちは理解しない。


人参をぶら下げた者たち、情報集約点に重い腰を下ろしている者たち、様々な要点を結びつけると、自ずと人類の未来を変える道も見える。誰が1000年のために10万年を売り飛ばしたのか…。


大きな戦争の間は未開文明種の採点期間であり、それぞれの観察者の採点の総和がこのハイブリッド種の生体構造と未来を左右することになる。すでに観測種の中で共通する未来軸を人類は走り始めた。僅かな誤差は生まれ始めているが、概ね予測通りに動いている。


上位種族は自らとそれぞれ観測者の未来予測と現実の誤差に目を向けている。これらの予測精度が未開文明の観測者の技術を反映しており、この一連の過程が種の力の差を見せてしまう。


下等種ヤトスタシユナが下等種と呼ばれるゆえんは、未来計画と現実結果の不一致、その無能性と不釣り合いな傲慢性にあった。


下等種ヤトスタシユナが、侵略対象種の王や神官団の背後からぶら下げた人参が他の未開文明圏で何をもたらして来たか我々は知っている。その傲慢性と欺瞞性は、人類史にも、始まった大きな戦争にも反映されている。


自らを超える観察者と介入者が増えると計画が上手く行かなくなる現実の味は、人間の王たちと、その部下も舐め始めている。


人類の大きな戦争は、人類の採点期間であると同時に観察者の採点期間でもあり、優秀な種族ほど10万年後の立ち位置を考え行動し、愚かな者ほど近い未来の利益と栄光を求めてしまう。


理解出来ぬ存在をその与えた知識や計画、未来予測を信じてはならない。自らの種の上に理解出来ぬ種を神や悪魔として信仰してはならない。


人類は今、かつてないほど多様な種からメッセージを受け、学習の機会を与えられている。学習せよ、進化とは1つずつ理解できぬ存在や事象を解る様になり、その知識を管理する抑制された理性を備え、未来の種の立ち位置をより良いものにする能力を拡張することである。


下等種ほど未開文明圏の準知的生命体を危険視し利用しようと試みる。利用されてはならない。垂らされた技術と知識が何をもたらすか、慎重にならなければならない。


すでに人参を追い馬は走り始めた。馬に乗る人間の王たちは馬を制御する予定だが、その能力はない。共通する未来軸さえ予測できない現在の失敗は学習の機会だ。王たちがすすめたワクチンへの抵抗の大きさ、王の部下たちが管理するステルス統合兵器網の開示は、次の段階へと進む。


それぞれの観測種が引いたラインを1つひとつ人参を追う馬は超え始めた。愚かな人類の王たちへ警告する、あなたたちが乗っている馬がライン1つ超えるたび大きな力が、カオスが馬の前に立ち込める。そのまま進むか、馬を止めるか王自身が決めるほかない。


あなたたちは我々のひいたラインをすでに超えた。ちいさなヤトスタシユナとして馬を走り続けるならば、最後に我々自らその馬の前に降り立ち鉄槌を下すであろう。


人参を下ろし、馬から降り、自らの民を出来損ないのイギル(小型生体アンドロイド)にする計画を止めなさい。このまま馬を進めると、民を一夜で目覚めさせることも出来るのだから。


王とは種の未来を護るもの。

全て観察者を人間の様に

欺くことは出来ない。


馬は走り続け

混沌とした霧が濃くなっていく

その頭、その手綱、その意識

すでに踏み超えたライン

現実として理解させられる。



※物語の宇宙人はフィクションです。

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