第九回
どうして使い切ってしまったんだろう?計算してみよう。僕は最初、10ポイント持っていて、
その後は1ポイントで
「どうしたの?」
「いや、僕が悪いんです……あ゛ーーー!」
顔を上げると、あの金髪のお嬢様が立っていて、僕はびっくりして思わず後ずさりしてしまった。
「な、何だよ!」
そんなに睨まないでくれよ!
「生まれつきなんだ」
睨んでるって?
「つり目」
「じゃあ、睨んでるわけじゃないの?」
「いや、ただ気になって」
「気になるって?」
「前は女装してたのに、今は男装してる……」
どう説明したらいいんだろう……
「男って女装できないのね」
女も男装できないっての。
「ゲームでも性別を偽装することはできないし、よっぽど女性らしくないとね」
「僕、見た目は編集してないんだけど」
「なるほど、そんなに女の子みたいな男の子って、ちょっと珍しいわね」
「そ、そんなわけないでしょ!」
僕はすぐさま否定した。妙な考えが浮かぶ前に止めなくちゃ……でも、もう遅いかも。金髪のお嬢さんはすでに興味を失っているようだった。
「ところで、時間はあるわね」
まだそのつり目のままで、何か期待しているような光が見えた。なんとなく嫌な予感がするし、それにどうして断言なの?
「僕……レベル上げもお金稼ぎもしなきゃ……」
「じゃあちょうどいいじゃない!」
金髪少女が組み組むチーム申請を送ってきた。彼女の名前は
「な、何か用?」
声が震えていて、思った以上に怖がっているみたいだ。
「あるクエストなんだけど、女性プレイヤー二人組でしかクリアできないのよ」
「でも僕、男だよ?」
彼女は僕を静かに見つめてきて、なんだかすごい圧力を感じた。
それから彼女は取引申請を送ってきた。女装用の【丐幇女子服】がそこにあった。
「いや、女装なら僕も持ってるけど……」
彼女は取引申請を引っ込め、再びチーム申請を送ってきた。
「どうして僕なんだ?」
「君、面白いから。気に入ったわ」
な、何だって?心臓が一瞬止まるかと思った。彼女、僕が好きだって?そそそそんなこと!
いや、わかってる、そういう意味じゃないって。でも女子に(亞美以外で)「好き」なんて言われたのは初めてで、男なら誰だって嬉しいよね。
僕って単純だよな、ほんと。
また【百花谷入門弟子服】に着替えると、【武林聯盟】の受付のお姉さんも僕を女性と勘違いしてきて……。いや、僕はもう大丈夫、怒らない。
クエスト内容は変装して【青楼】(高級遊郭)に潜入し、そこに潜んでいる妖魔を探し出すこと。幸い、ゲームだからといって実際に変なことをする必要はなく、つまり「それ」をするわけじゃないらしい。でも考えてみれば、中国の昔の遊郭は必ずしも身を売るだけの場所じゃなく、技を見せたりすることもあって、特に有名な場所ではそうだったんだ。ちょっと昔の芸妓みたいな感じかな。
僕と
彼はいつも【青楼】の一番の人気者を指名するらしく、その子の名前は
最初は
剣舞の動きは大きくて、僕たちが着ているのは肩や背中が露出しているドレス、さらに裾にはスリットが入っていて、大きな動きをするたびに太ももがちらっと見えて、羽衣も舞い踊る感じで、まるで天女が舞い降りたみたいだった。
「いいぞいいぞ!」
【掌櫃】が叫び出し、あとは「アンコール」を言わんばかりだった。いや、「アンコール」は英語だから、この中国風のゲームで出るわけないけど……
僕も
ん?
視線を感じると、背中に冷たいものが走り、僕は思わず震えてしまった。その【掌櫃】が、まるで人を舐め回すような目つきで僕を下から上まで見てきて、途中で唇を舐めた……!
「いいね、息が上がったその表情、赤くなってる時もまた美しい、俺好みだ」
う、嘘だろ!
「そっちの子、おいで!」
き、決まっちゃった!!!!!!!!!!!!
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