第三回
刺繍針を装備して、それに武功の
これらの武功は
そう、僕は暗器を選んだ。そして五仙教の暗器は針を使うものだ。もし後に毒の練習ができれば、毒針も作れるようになる。一つ言えることは、僕みたいにドジな人間には近接戦の武器は無理だということ。だから僕は暗器を選んだんだ。
後山に着いて、師範と話した後、試験が始まった。任務の目標は後山の奥にいる虎人を倒すことだった。
道中には虎のモンスターが敵として出現した。虎は攻撃力が高く、スピードも速い。いい練習相手だと思った。遠くから
三本目の針を放った時、虎人はもう目の前にいたので、急いで軽功を使って回避した。
うわ!一跳びで遠くに飛んだ。まるで跳躍のチャンピオンみたいだ!これが軽功の力か!ヒット&アウェイ戦術を使い、結局八本の飛針で虎人を倒すことができた。
虎人のドロップアイテムは虎の皮と虎の肉だった。これをNPCに売れば、それぞれ20文で売れる。ちなみに、10本の飛針は30文かかるんだ。ドロップアイテムは毎回異なるけれど、平均すると1体倒して1つのアイテムがドロップするくらいだから、現状では少し損をする計算だ。
でも、三つの武功が全て第二級に上がれば、六本の飛針で敵を倒せるようになる。そうすれば利益が出るんだ。
すぐに第三級に上がり、ボスを倒せるようになり、新人任務をクリアした。
「素晴らしい。外に出たら、さらに武芸を磨きなさい。」
僕はさらに2点の「霊感」を使って【採集】と【錬薬】を学び、現在買えるレシピを全て購入した。手持ちの500文を持って、馬車に乗り、近くの大都市「成都」へと向かった。
そして、
「うわぁあああああああああああああああーーーー!」
僕は死んだ。
なんでだ?何が起こったのか全くわからない!
新人任務をクリアしたので、僕は成都の中心で復活した。新人だから経験値や能力にはペナルティはないけど、持っていたお金が10分の1減ってしまった。
でも、マップには僕が死んだ場所が表示されていて、それは城外の降車場所だった。北門の近くだった。急いで向かったが、他のプレイヤーが馬車から降りたばかりで、別のプレイヤーに殺されているのが見えた。
そこは城門前で、どうやらこのゲームはPVP(プレイヤー同士の戦い)を奨励しているようで、多くの地域でプレイヤーが他のプレイヤーを攻撃できる。馬車はリアルに作られているので、城の外、つまりPVPエリアに停まる設定になっている。これに気付いたプレイヤーが、他のプレイヤーを大量に殺してお金を稼ぐPK(プレイヤーキラー)になっているんだ。PKプレイヤーの特徴は、名前が赤くなること。
彼らは僕が近づくとすぐに僕を市内に送り返した。回避や逃げる暇さえなかった。
手持ちはもう405文しかない。僕は成都の市内で倒れていた。誰かが通り過ぎ、僕に興味を持って一瞬だけ見つめる者、心配して声をかける者、嘲笑して通り過ぎる者もいたが、大半は冷たく僕を避けていった。その中にはプレイヤーもいればNPCもいた。このゲーム、本当に不思議だ。NPCの行動はプレイヤーと比べても遜色ない。残念ながら、プレイヤーはクズばかりだ。
裕貴たちはどうしてるんだろう?あっちのほうが楽しいのかな?
「お兄さん、何してるの?」
その時、空に影が差し込んだ。NPCの子供だった。髪を頭の上で結んで、噴水みたいにしている。その子は大きな目で僕をじっと見つめていた。
「僕、休んでるんだ。」 「なんで休むの?武侠の人たちって、空を飛んだり地面を駆けたりできるんでしょ?」 「でも、休むこともあるさ。」 「大人って大変だね。」
なんだこのガキ、言ってることが生意気だな。
でも、間違ってはいないか。僕がこうして寝てても何も変わらないし。
「ありがとう。」
立ち上がって、僕は簡単な任務を受けて、お金を稼ぐことにした。北門を通らなければ大丈夫だろう。
ゲームには、ファンタジー小説に出てくる冒険者ギルドのような組織があって、武林聯盟と呼ばれている。魔物の侵略に対抗するために作られたらしく、ここで任務を受けたり、報告をしたりできるし、必要に応じて支援も求められる。日常的な任務はAIが担当していて、プレイヤーの行動に基づいてランダム生成されるらしい。本当にすごいシステムだな!
まずは資料室で、この辺りで採集できる薬草について調べた。それから掲示板で関連する任務を受けて、再び城外へ出た。今度は南門から出たから、PKプレイヤーには遭遇しなかった。
でも、城門にPKプレイヤーがいないからといって、他の野外にいないわけじゃない。僕が草を集めて帰ろうとしていると、またPKプレイヤーに捕まって殺された。でも、そのおかげで城に戻る手間が省けたし…うぅぅ…
その後、僕は意地を張って四度目の出城を試みた。今度は別の方向へ向かって草を採集しようとした。幸いなことに、今度はPKプレイヤーには遭遇しなかった。でも、結局また死んだ。原因は魔狼という敵モンスターだ。魔狼は虎人に似た敵で、一匹なら問題ないけど、死ぬ間際に仲間を呼ぶ。倒すのが遅いと囲まれて死んでしまうんだ。そう、僕がそうだった。
いや、僕は泣いてない。ただ、涙が勝手に目から溢れてきただけだ。僕は泣いてなんかいない!
「お兄ちゃん、また死んだの?」
またあのガキかよ!
「そうだよ、僕は弱いんだよ!」
「だって、魔教の人間だからでしょ?」
「関係あるの?」
「ない? 君だけが4回も死んでるよ。他の人はだいたい2回目でチームを組んだり、街から出ないようにしたりするけど?」
「それは僕が魔教かどうかとは関係ないでしょ。」
「でも、君は魔教の人間だから、4回も死んでるんだよ……」
「他の魔教の人は4回も死んでないでしょ?」
「まあ、君の勝ちだね。」
これって勝ち負けがあるの?
「それで、どうしてわざわざ外に出たの?」
「だって、僕、採集のクエストを受けたから。」
「それだけ? ハハハハ——!本当に面白い!」
どこが面白いんだよ?
「君みたいに真面目なやつが、どうやって侠客になれるんだ!」
「侠客って、真面目なものじゃないの?」
「大抵の侠客ってのは、ちょっとした手段を使うんだよ!」
「でも、ゲームには道徳システムがあるはずだよね。」
「君、魔教の人間なのに、何言ってるんだよ?」
「どうして魔教の人間が悪者だって決まってるの? 五仙教だってただ毒を使うだけで、普段はそんなに悪いことしないし。」
「ハハ、本当に面白い!」
どこが面白いんだよ?
「俺、お前が気に入ったよ。いいものをあげよう!」
そう言って、僕に本を渡して、そいつは消えた。
僕はぼーっと本を受け取り、ぼーっとそいつが消えるのを見つめ、それからぼーっと本の表紙を見た。そこには大きく書かれていた:「
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