ピーチ•ボーイ

@misoshiru5956

第1章：巨大都市ネオ・オカヤマ

遠い未来、人類は高度なテクノロジーを手に入れ、都市は空高くまでそびえ立つビルで満たされていた。中でも最大の都市、ネオ・オカヤマは、サイバーパンクの象徴ともいえる場所だ。ビルの隙間を走るホログラム広告が、終わりなき消費を誘い、空中を行き交うドローンが都市の治安を見張っていた。都市の下層では、犯罪と暴力が蔓延しており、富裕層が住む高層ビル群とは違う世界が広がっていた。

老人であるオジー・サンは、巨大ビル群の合間に存在する小さな工場で古いロボットの修理を生業としていた。彼のパートナーであるオバ・サンは、かつてはデータ管理のエキスパートであり、現在は廃棄された情報ネットワークを漁って古い情報を集め、都市の地下社会に売り渡すことで生計を立てていた。

ある日、オバ・サンはスラムの下層にある違法なデータストリームで情報を集めていたところ、奇妙なコードを見つける。無数の文字列の中に混じっていたのは、「桃（ピーチ）」というコードネームが付けられた謎のデータだった。