最愛結婚

第26話

「新郎泉石渚さん。貴方は、ここにいる新婦泉石美緒さんを健やかなときも病めるときも、富めるときも貧しいときも、妻として愛し、敬い、いつくしむことを誓いますか?」

「はい! 誓います」

 大きな声で返事を返した。

 そんな渚の大きな返事に、神父に扮した男性…いやぁ…鳴海坂昴は、彼に向かって満面の笑みを浮かべると、彼の頭をそっと一回撫でた。

「すすすす昴!」

 タキシード(白)姿の渚は、昴のいきなりの行動に思わず、彼の名前を呼んでしまった。

 しかし、昴は、渚のその呼びかけに反応することはなかった。

 そんな二人のやり取りを隣で見ていたウェディングドレス(純白)姿の美緒が、ベールの下から心配そうに渚に声を掛けてきた。

『渚君。大丈夫?』

『うん大丈夫だよ』

『本当? もう、私に嘘つかなくていいんだよ?』

『…嘘なんかついてないよ! ほら? 昴が待ってるよ?」

『…うん』

自分の事を心配してくれている美緒を、神父姿の昴の前に強引に押し出した。

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