第4話

12月10日 8時 カフェ rose (フランス語でピンク)

 來未は、大学時代からカフェでアルバイトして働いていた。そして、そ大学卒業後、そのままそのカフェにスタッフとして就職した。

「栞、おはよう」

 ※來未の服装:カーキのニットにジーパンを合わせ。

 足元は黒のスニーカー。そして、頭には、靴と色を合わせた黒のベレー帽。

 首元には紺色のマフラーを巻いている。

 そして、背中には黒のリュックサック。

 女子更衣室に入った來未は、自分の隣のロッカーで先に女子の制服に着替えていた高校時代(大学は別)からの友人でバイト時代から一緒に働いている神林栞にいつも通り声を掛ける。

※神林栞の特徴は、身長は來未より5センチ高い165センチで、髪はショートカット。髪色は、赤みが多いブラウン。

 女子の制服は、パステルピンクのスカートに白シャツ。足元は、黒のローファ。

 そして、髪にはパステルピンクのリボンもしくは、ヘアクリップをつける。但し、強制ではないので栞はつけていない。

「ぁぁ來未お…ってどうしたその大量の荷物!」

 來未の声に栞が気づき、來未の方を振り返るが…彼女のすぐ隣に置いてあったスーツケースに驚く。

「ぁぁこれ? 今日、泊まる所ないから栞の家に今日泊めて貰おうって思って」

「えっっとちちょょっと待って! 総一郎さんと喧嘩でもしたの?」

 來未からの爆弾発言に驚きと動揺が隠せない。

「いやぁ? ちょっとねぇ?」

「まさか家出?」

「違う!」

「じゃあ何があったの?」

「なんでもいいじゃあん!」

 自分のロッカーを右手の拳で思いっきり叩く。

「!」

 來未の突然の行動に、栞は、思わず言葉を失う。

 そして、今回の喧嘩は、いつも喧嘩よりもすごく激しいのだと察した。

 來未の彼氏である古橋総一郎さんの弁護士で、仕事が忙しい時は殆ど家に帰らず、事務所で過ごす事が多い。

 それでも、毎日欠かさず來未に連絡をくれるほど、彼女の事を愛している。

 そして、そんな彼の事を來未も愛し、例え喧嘩してもその日の内に仲直りをしていた。

 それなのに…

「くくく來未…総一郎さんも話せば分かってくれるかもよ?」

「無理だよ!」

 栞の提案を秒で否定する。

「來未!」

 いきなり大声をあげた來未に栞はびっくりする。

「…ごめん…けど本当に無理なんだ」

 さっきまでの勢いと違ってどこか寂しそうな声で栞に謝る來未。

「來未?」

「…栞、私って、総一郎さんの婚約者じゃあなかったんだねぇ?」

「えっ?」 

 來未から出た衝撃な言葉にどう返事を返せないいのか解らない。

 そんな栞に來未が更に衝撃な事実を告げる。  

「総一郎さん。いやぁ、古橋さんには、私じゃあない、本物の婚約者がいて、来月その人と結婚式を挙げるんだって」

「…」

 ★

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る