第84話



「まぁ、兄貴に頼まれなくても、莉茉さんの為だし?」




「あ?」




……こいつ。




まさか、莉茉に気があるんじゃねぇだろうな?







朔に鋭い視線を向ける。




「…………あのさ、何か兄貴が変な心配をしるみたいだけど…。」




ちらりと俺を横目に、朔は苦笑いを浮かべる。




「俺、神無かんながいるから。」




ーーーー神無?




その名前を、自分の頭の中から探し出す。




思い出したのは、1人の女。

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