第73話
「朔、と呼び捨てで構いませんよ?」
「え…?良いの?」
「えぇ、莉茉さんのは兄の大切な方ですから。」
「じゃあ、朔?」
恐る恐る呼べば、朔はにっこりと笑みを浮かべた。
「これからよろしくお願いしますね?莉茉姉さん。」
それは優美な仕草で笑みを深めると、朔は首を傾げる。
「っ、うん、よろしくね?」
朔の“莉茉姉さん”のフレーズがくすぐったくて、嬉しかった。
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